2024年4月20日(土)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2016年9月22日

 真摯で説得力のある社説です。国際社会の努力の中で中国がいかに鍵を握っているか、いかに対北圧力を妨げているかが改めてよく分かります。

拒否権行使のシングル・アウト

 3月の長文の安保理決議2270には、随所に中国などの指紋が窺われる微妙な制約文言が入れられています。これは中国やロシアとの駆け引きの結果であり、止むを得ない面があったとしても、将来決議を強化することも考える必要があるのではないでしょうか。また、非難決議などについては、中国による拒否権行使が予想されても、安保理に提案、投票にかけることを選択肢と考えるべきではないでしょうか。それにより拒否権行使をシングル・アウトすることができます。

 米国による中国企業への一方的制裁も考えるべきです。社説が主張するように、中国政府が協力しないのであれば、米国内法による一方的金融制裁も止むを得ません。

 一般的に核開発阻止のオプションは多くありません。北朝鮮の技術が進展していること、後ろ盾になっている中国がますます大国化していることは厄介です。今できることは、北の脅威に対する防衛体制を強化していくことと、あくまで北の核開発を止めさせるために中国に圧力をかけ北朝鮮への制裁を強めることです。

 

  
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