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World Energy Watch

2016年10月20日

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山本隆三 (やまもと・りゅうぞう)

常葉大学名誉教授

NPO法人国際環境経済研究所所長。住友商事地球環境部長などを経て現職。経済産業省産業構造審議会臨時委員などを歴任。著書に『電力不足が招く成長の限界』(エネルギーフォーラム社)など多数。

韓国も乗り出す政策支援

 EV市場を育てるための政策手段の中心は、充電スポットの整備と、EV購入時の補助金、税の免除だ。特に、充電スポットが限られ、充電に時間がかかることがEV拡大の足枷になっている。

 韓国でのEV台数は昨年末時点で4300台、市場シェア0.2%しかなく、EVの普及は遅れているが、8月に韓国産業通商資源部チュ・ヒョンファン長官が、ソウルと済州島にそれぞれ120器の急速充電器、全国では合計300器を11月までに設置し、さらに全国の4000の共同住宅に3万の充電器を年末迄に設置すると発表した。韓国電力公社主導で進められ、投資額は2000億ウォン(180億円)。

 最初の急速充電器の開所式で、チュ長官は「主要な輸出品目として育てるためにEVを重点政策とする」と述べたが、韓国電力などの公的機関が440億ウォン(40億円)を投じ2023年までに1100台のEVを購入し、国内需要を喚起する計画になっている。EV購入の補助金も1200万ウォン(110万円)から1400万ウォン(125万円)に増額された。

ガソリン車販売禁止を考えるノルウェーとオランダ

 欧州主要国は、EV販売促進のために補助金、税免除など様々な支援策を導入している。例えば、EV導入率世界一のノルウェーは、EVには登録税、付加価値税の減免、駐車場代、フェリー代金、高速代金の無料化など手厚い支援策を取っている。

 ノルウェーの気候・環境大臣は、9月にインタビューに答え、2025年に国内でのガソリン、ディーゼルを使用する車の販売を禁止する意向を明らかにしている。EVあるいはFCV以外の販売は不可能になる。大臣は2023年にはEVの価格が競争力を持つことになるので、2025年にはEVの販売だけで市場を満たすことが可能になるとみている。

 オランダ下院も、ガソリンとディーゼルを使用する車の販売を2025年に禁止する法案を可決している。本法案には、実現は不可能とする反対の声も強く出ているが、2025年には今までのガソリン、ディーゼル車を販売できなくなる国が欧州で登場するかもしれない。

 充電スポットについては、英国において石油会社のシェルが自社のガソリンスタンドに充電設備を設置することを検討中と報道された。シェルは英国内に約1000のスタンドを保有するが、来年前半から設置を開始する予定だ。ガソリンスタンドに充電設備が設置されるとなると設備数は急増することになる。

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