2024年11月24日(日)

坂本幸雄の漂流ものづくり大国の治し方

2016年10月4日

 日本のプロ野球界で一流になった選手がメジャーリーグへ移籍する、という流れができて久しい。移籍について選手は「より高いレベルで勝負したい」「昔からの憧れ」などの理由を口にするが、「報酬が高くなる」ことは見逃せないだろう。

 いまやニューヨークヤンキースのエースとなった田中将大投手は、日本で年俸4億円だったが、メジャーリーグでは22億円ほどの年俸を手にしている。メジャーリーグは高額報酬で世界中から優秀な人材を集めているといえる。

 こうした動きはもちろん野球界だけに発生していることではない。多くの企業はグローバル競争に否応なしに組み込まれている。超一流人材の獲得が、企業の命運を左右するといっても過言ではない。

 年功序列に代表される伝統的な日本企業の人事・賃金制度がこうした超一流人材の採用と相性が悪いのは言うまでもないだろう。

 海外の企業が1億円出すといっている人材に対して、「あなたは28歳なので、500万円です。ただし、30年後には役員になる可能性もある幹部候補生です」と口説いても採用できるわけがない。


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