坂本幸雄の漂流ものづくり大国の治し方

2016年10月4日

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坂本幸雄 (さかもと・ゆきお)

現ウィンコンサルタント社長、元エルピーダメモリ社長

日本体育大学卒業後、日本テキサス・インスツルメンツに入社し、93年副社長。神戸製鋼所、日本ファウンドリー社長を経て、02年エルピーダメモリ社長。現在ウィンコンサルタント社長。

 「ものづくり大国」日本に残された最後の砦といわれる自動車業界にも、自動運転の開発が進むなどして、劇的な変化が訪れている。グローバル競争を勝ち抜くには、これまで社内に抱えていなかった超一流のAI(人工知能)の研究者が必要になってくる。トヨタ自動車は、最近別会社をつくってそうした超一流の人材を集めているようだが、他の業界でもそうした人材を獲得することが必要になってくるだろう。

 高額報酬は固定給だけで支払う必要はない。「5年後に成果を出したら5000万円支払う」という出来高払いでもよい。これは途中で退社したら手にできないので、リテンション(人材の維持・確保)にも繋がる。

 新卒一括採用も見直したほうがいい。グローバルで採り合いが発生する超一流の人材が「新卒だから」というだけで、他の同期と待遇面も含めて同じように扱われるのであれば、その企業が選ばれるわけがない。

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 米国では新卒でも一人ひとりの給与が違う。歳が同じだからといって、能力が等しいわけがなく、ある意味日本企業より平等な賃金体系だと言える。こうしたかたちにすれば、大学で勉強するモチベーションにもなり、マクロでみれば国力もあがるのではないか。日本の大学生は勉強しないと言われるが、新卒一括採用がそれを助長している面もあると感じている(かくいう私も大学時代は野球に没頭していたが……)。

 同時に超一流の人材には、全面的に任せて働かせることも必要だ。これは簡単なように思えて意外と難しい。素人があれこれ口出しをすると、モチベーションが下がり、成果が出しづらくなる。最悪の場合は、高額報酬を支払ったのにすぐに辞めてしまう可能性もある。

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