2024年7月16日(火)

BBC News

2024年7月15日

イギリスのデイヴィッド・ラミー新外相は14日、外相就任から初めてイスラエルとパレスチナ自治区を訪問し、ガザ地区での即時停戦を呼びかけた。

「私は停戦を強く促すためにここにいる。ここ数カ月続いた人命の損失は(中略)あまりに恐ろしい。終わりにしなくてはならない」と、外相は述べた。

ラミー氏はまた、ガザで拘束されているすべての人質の解放と、ガザへの援助物資の拡大を求めた。

政権交代したイギリスで、キア・スターマー首相率いる労働党政権の外相となったラミー氏は、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相、パレスチナ自治政府のモハマド・ムスタファ首相とそれぞれ会談した。

イスラエルのイツハク・ヘルツォグ大統領や、イギリスにゆかりのあるイスラエル人人質の家族とも、会談が予定されている。

「たとえ戦争中でも、国際人道法に沿って戦争を行うことが大事だ」、「もちろん私はこれから、このことについてイスラエルの指導者たちに強く働きかけるつもりだ」と、外相は述べた。

外相はさらに、「もう何カ月も何カ月も頼んできた」にもかかわらず、イギリスの援助物資トラックがガザ地区に入れていないことに不満を示した。イスラエル軍が求める複雑な検査手順のせいで、援助物資がなかなかガザに入れないことは、複数の援助機関もかねて批判している。

ラミー外相は、ガザの人道的状況は「ぞっとする」ものだと述べ、イギリス政府が今後、医療慈善団体UK-Medのガザでの活動に、550万ポンドを追加して提供すると述べた。

英労働党は昨年以来、ガザ紛争への反応をめぐり一部のイスラム教徒の有権者から批判され続けている。

新政権はまた、民間人の犠牲を理由にイスラエルへの武器売却を制限もしくは中止するのかなど、いくつかの重要課題について決断を迫られている。

武器売却について質問されたラミー氏は、「内容の評価と法的見解を含めて考慮する」と答えた。「その作業はすでに始まっており、できるだけ早く議会に報告したい」と付け加えた。

外相はまた、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)に対するイギリス政府の資金提供の今後についても、近く発表すると述べた。

イスラム組織ハマスによる10月7日のイスラエル攻撃に、UNRWAの職員数人が関与していたという疑惑をめぐり、今年1月に十数カ国がUNRWAの資金提供を停止した。イギリスを含めて数カ国がまだ援助を再開していない。

労働党はまた、パレスチナ国家を承認すると公約しているが、いつ承認するかはまだ明らかにしていない。

約1200人が殺害され、251人が人質となった昨年10月のハマスの攻撃を受けて、イスラエルはガザでの作戦を開始した。

ネタニヤフ首相は、すべての人質が解放され、ハマスが壊滅するまでイスラエルは戦争を続けると表明している。

ハマス運営の保健省によると、イスラエルの攻撃でガザでは少なくとも3万8584人が殺害された。同保健省はさらに、イスラエルによる13日以降の攻撃で少なくとも141人が殺害されたとしている。人道保護区域が直撃されたこの攻撃について、イスラエルはハマス幹部を標的にしたのだと説明している。

国連がかかわった6月の報告では、約50万人近くが「潰滅的な水準」の飢えに直面する飢饉(ききん)が起きる「高いリスク」があるという。

(英語記事 Lammy urges immediate ceasefire during Israel visit

提供元:https://www.bbc.com/japanese/articles/cjl6xpz428yo


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