結束の堅さはリーグ随一
それに引き替え、いまの選手はみんな仲がいい。投手陣では黒田博樹、野手陣では新井貴浩の両ベテランがリーダーとなり、さらに両者を選手会長の小窪哲也ががっちりまとめている。センターラインを固める1、2、3番トリオ、ショート・田中広輔、セカンド・菊池涼介、センター・丸佳浩は1989~90年生まれの同級生で、結束の堅さはリーグ随一だ。ついでに言えば、宴会での盛り上げ役は鈴木、という役割分担も決まっている。
その鈴木ととりわけ仲がいいのが、外野の控え・野間峻祥。CSの最中、「誠也、きょうこそ打ってくれよ」と河田雄祐外野守備走塁コーチに言われた鈴木、すかさず隣の野間を指差し、「きょうはこっちが打ちますから」と返していた。マツダで試合前に早出特打が行われるときはその野間が12時半に現れ、すぐに鈴木と田中がやってくる。主力がこの時間から練習するのだから、控えものんびりしてはいられない。石井琢朗打撃コーチが何も言わなくても、選手が自ら練習に取り組む環境と雰囲気が出来上がっている。仲がよくても馴れ合っているわけではないのだ。
今週末から始まる日本シリーズ、そんな“イマドキの若鯉”たちがどのような熱い戦いを見せてくれるか、いまから楽しみである。
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