民政移管まで残り約1年、国内には問題が山積する
また、国王が不在ということになれば、危惧される政情不安から治安維持を目的とした軍事政権継続の正当性も成り立つ。実は国王崩御の数日前、バンコクでは10月末に爆破テロが起きる可能性があると発表されていた。すでに数名の南部出身者が逮捕されているが、この国は今もテロ、そして反現政権に反対するタクシン派閥という長年の悩みを抱えている。現政権はクーデター以降、ことあるごとにタクシン派閥を排除してきた経緯があるが、完全に取り除くことはできていない。
2017年末予定の総選挙も通常通り実施すると現政権は明言している。つまり民政移管まであと約1年。軍事政権はそれまでに国の不穏分子を排除し、国家に安定をもたらすことができるのか。言うまでもなく、課題は山積している。
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