中国中どこに行っても公共投資・インフラ投資のオンパレード
中国中どこに行っても高速道路は立派で、あらゆる公共建築はピカピカの素晴らしいものばかりである。例えば今回、僕が上海から西安まで乗った高速鉄道網を例に挙げると、2007年からスタートした和諧号(今回乗った)の名前で親しまれている最優等列車である。鉄道総延長は12万1000キロに達し、規模では米国に次ぎ世界2位といわれている。
国有企業の固定資産投資は名目GDPの約16%、インフラ投資の約8%、不動産開発投資は名目GDPの約8%を占めている。つまり国有企業の固定資産投資とインフラ投資(除く電力)と不動産開発投資は名目GDPの約32%を占めたことになるから、中国のGDPの伸びにおける比率の3分の1は公共投資という訳だ。
だが、公共投資の拡大は構造調整に逆行する動きであるため、政府が雇用安定を重視するならば見直す必要がある。来年以降のGDP維持と構造調整のジレンマになるから微妙な問題だ。公共投資を進めすぎると過剰資本や債務解消のソフトランディングが遅れるという副作用が怖い。
今回は西安の友人たちと「安定成長の維持」、「構造調整」、「改革の推進」という三本の柱からなるバランスの堅持について議論が及んだ。西安から見た西北5省(新疆维吾尔自治区、甘肃省、青海省、宁夏回族自治区、内蒙古自治区)では大型投資が始まりつつあるという話を聞いた。雲南、四川は既に始まっているが、西北5省の本格的な開発はこれからである。さらに先の話をすると「一路一帯」政策を進めて行けば、中国の未来への布石は永遠に続くというものだ。