赤坂英一の野球丸

2016年12月28日

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 12年から監督経験のあるOB・中村勝広氏がGMを務めていた阪神も、昨年9月に中村氏が急逝して以降はGMを登用していない。今後は金本監督の意向を球団が聞き、相談を重ねてチーム編成を行うことになっている。ちなみに、今年の新人王となった高山俊(15年ドラフト1位、明治大学)、こもオフにFA移籍で獲得したオリックス・糸井嘉男は、どちらも金本監督のたっての希望による補強だった。

長期的なチーム作り

 来年、高山、糸井がそろって活躍すればGM不在でも問題はない。が、失敗した場合、誰が代わってチーム編成の新しい設計図を作るのか。他球団からは「せっかく高山が順調に育っているのに、同じ左打者の外野手・糸井を獲ってどうするんだ。高山の出番を減らすことになったら、元も子もないぞ」と皮肉る声も聞かれる。監督が補強に口を出すようになると、どうしても目先の勝ちに役立つ選手ばかりほしがる。それでは5年先、10年先のチームづくりは覚束ない。

 現在、日本で正式にGMの肩書を持っているのは、日本ハム・吉村浩、巨人・堤辰佳、DeNA・高田繁の3氏だけ。高田GMは日本ハムでも05年から07年まで辣腕を振るい、11年からGMとして招聘されたDeNAでも球団史上初のCS(クライマックスシリーズ)進出に貢献している。その高田GMによれば、「12球団で一番チームづくりがうまいのは日ハムだ。おれがいたころから、現GMの吉村が長期的な計画を練ってここまでにしたんだよ」とのこと。

 その日本ハムは今季リーグ優勝と日本一を達成した。GMとは、落合氏のような元名選手や元名監督なら務まるという仕事ではないのだ。経営者がその認識を改めない限り、日本ではまだまだ行き当たりばったりのチーム編成が横行しそうである。

  
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