病院の屋上で、KEYが「先生」と呼ぶ女性が、余命いくばくもないことを語ったうえで「結婚してたら、子どもいたのに。結婚は夢だった。夢をかなえられずにどうして死んでしまうのだろう」
KEYはいう。「先生。俺が先生の逃げ道になるよ」。「結婚するってこと。だって、年も違うし、そんな関係じゃないよ」。ふたりは抱き合う。遠くに東京タワーが見える。
ドラマのなかで、東京タワーが画面の中央を覆うように、またあるときは小さくあしらわれている。表参道はいまでは、銀座と並ぶあるいはそれ以上に洗練された街並みである。
明治神宮外苑の通称「絵画館」に向かう銀杏並木は、日本を代表するシンボルロードである。「絵画館」は、明治天皇の事績を画家たちが描いた絵画が収められている。この道は、映画やドラマのなかに写り込まれている。外苑は、関東大震災後に国民の寄付によって造営された。倫子がデートで歩くシーンは、かつての東宝や日活の名画を彷彿(ほうふつ)とさせる。
原作者の東村アキコが、この作品を書くきっかけになったのは、2020年の東京五輪の開催が決まったときだという。
「要するに 東京開催決定に
ショックを受けていた
私の周りのアラサー アラフォーの
女友達をネタに
そのまんま ひどいマンガ
描いてやろうと思っただけです!!!」
アラサーとアラフォーが東京五輪という時間を区切られて、それまでに結婚したいという焦燥(しょうそう)にかられたからである。
さて、吉高・榮倉・大島の3人の恋の行方は。
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