フジ・関西テレビ系の「嘘の戦争」(毎週火曜日)は、復讐譚(ふくしゅうたん:復讐の物語)である。宿敵を徹底的に打ちのめすには、詐欺のような策略がある。復讐に気づいた敵は逆に策略を繰り出してくる。
騙したり騙されたり、あるいは騙されたように装ったり。復讐譚はコン・ゲーム(con game)のような展開をみせる。
家族を殺され、復讐に立ち上がった主人公
ドラマの主人公である一ノ瀬浩一(草彅剛)は詐欺師。少年時代に監察医の父と母、そして弟を自宅で殺される。自身も深手を負うが奇跡的に命をとりとめる。そして30年の年月が流れて、浩一は復讐に立ち上がる。
病床にあった少年の浩一に、刑事の三輪郁夫(六平直政)は繰り返し、事件が浩一の父親による一家心中であることを証言するように迫る。ふたり組の犯人を見た浩一は抵抗するが、ついに三輪の強要を受け入れて嘘の証言をしてしまう。
バンコクで詐欺を働いていた浩一は、事件の犯人と考えられる医大の准教授・五十嵐(甲田雅裕)を知る。少女買春をしている五十風は、教授選挙に向けた資金を調達するために街金にまで手をだしている。
コン・ゲームを仕掛けるには、ターゲットにした人物の周辺調査が必要である。浩一を支えるのは、詐欺師の兄貴分である百田ユウジ(マギー)、見習の八尋カズキ(菊池風磨)、そして浩一の詐欺の被害者から相棒になった、十倉ハルカ(水原希子)である。
浩一一家の殺人事件には、医療機器メーカーであるニシナコーポレーションの会長である、二科興三(市村正親)が絡んでいることがわかってくる。心臓病を患っている二科は、経営を次男の隆(藤木直人)に譲りつつある。