“ライフルにご用心”、みだりに私有地に入るべからず
4月11日(月)。ミズーリ州の西端Carthageにある1949年創業という野外映画館、”66 Drive-In Theatre”に立ち寄った。町外れの何もない街道沿いにポツンと巨大なスクリーンが建っている。ジョージ・ルーカスの初期の作品、“アメリカン グラフィティ”に描かれた1960年代初頭の中西部の田舎町の青春群像物語を彷彿とさせるようなノスタルジックな光景である。
朝9時頃であり当然映画館は営業時間外で閉まっている。道路沿いの入口にはロープが張ってあり“立ち入り禁止(Off Limit)と小さな看板が下がっている。車を道路わきに停車してロープを飛び越えて入場ゲートの近くで写真を撮っていた。
そのとき突然広い敷地の奥からピックアップ・トラックが猛スピードで我々の方向に走ってきた。ピックアップは我々から20メートルくらい手前の芝生で急停車。白人の大柄な中年男と息子らしい10歳くらいの少年が乗っている。
中年男はライフル銃を我々に向けて「お前らここで何をしている。今すぐ出て行け」(What are you doing here? Get out right away.)と叫ぶ。慌てて「ちょっと待ってくれ。我々はただ写真をとっているだけだ」(We are just taking pictures. That’s it”)と猶予を乞うたが一顧だにせず「立ち入り禁止の看板をみただろ」(Didn’t you see the off-limit sign?)と吠えながら我々に銃の照準を合わせて構える。
日本のオジサン二人は慌てて退散。西部劇ではよそ者が家に近づくとライフルを構えて誰何するシーンがしばしば登場するが、現代でも西部の流儀は変わらないようである。