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2017年5月4日

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 しかしハイブリッドEGTを広く導入することにより、とりあえずのピーク需要には蓄電システムからの電力で対応できるようになる。ハイブリッドEGTの設置箇所が増え、バッテリーからの供給だけでピーク時がしのげるようになる時代もそう遠くない将来実現するかもしれない。

 興味深いのは今回SCEが提携相手に選んだのがGEだ、という点だ。既存のガスタービン発電システムにバッテリー支援を結びつける、という重工業的技術が必要なだけに電機メーカー大手であるGEが選ばれたのだろうが、テスラとのバッテリーパークの契約は2015年に結ばれている。つまりアリソ・キャニオンの事故を受け、緊急時の電力確保が必要、とSCEが考えた結果と予測できる。

GEにも依頼することで保険をかけた

 SCEとしては新興勢力でギガファクトリー建設など勢いに乗るテスラと、伝統的な米産業の重鎮であるGEの双方に蓄電システムを依頼することで、保険をかけたとも言える。ただしピーカー・プラントは通常年間の稼働率が10%程度だが、ハイブリッド導入により100%に伸ばすことも可能だという。それならばピーカー・プラントだけではなく全ての発電施設にハイブリッドを導入すれば電力不足に陥る心配はさらに軽減するはずだが、現時点でそのような計画は打ち出されていない。

 専門家による推測では、ハイブリッドEGTの設置費用はピーカー・プラントのような比較的小規模の施設で1基あたり2000万ドル、という。オペレーティングコストの削減がどれほどのものかは不明だが、この初期費用は稼働により取り戻せるものなのか。テスラによる蓄電グリッドとハイブリッドとの競合は今後どのような形に発展するのか。今回のハイブリッドEGTの導入は様々な憶測を呼び起こす。

  
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