トランプ弾劾促進の3要素
リチャード・ニクソン元大統領は、罷免をされる前に辞任したので弾劾裁判を逃れることができました。米世論調査機関ギャラップ社による辞任直前の同元大統領の支持率は24%でした。ギャラップ社が実施したトランプ大統領の週の平均支持率(2017年5月15-21日)は38%です。
前回の「反面教師にしたいトランプのクビの切り方」で説明しましたが、同大統領の支持率が仮に30%以下に低下すると弾劾がかなり現実味を帯びてくるでしょう。
弾劾の危機に直面したジョンソン、ニクソン及びクリントンの各大統領と比較しますと、トランプ大統領にはユニークな弾劾促進の3要素が存在します。第1はコミー解任によって生まれたFBI職員の結束、第2はフェイク(偽)とレッテルを貼られた米メディアの巻き返し、第3はトランプ政権内に残っているオバマ前大統領に指名された職員によるリークです。同大統領はこれらの3要素を止めることができないと筆者はみています。
【修正6月1日】
(「トランプ弾劾促進の3要素」1行目)「リャード・ニクソン元大統領は弾劾訴追されましたが、罷免される前に辞職しました。」を修正しました。
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