2024年11月24日(日)

進化する「食」

2017年6月20日

お酒を飲むときのダイエットポイント

  1. おつまみは脂質の少ないものを選ぶ。
  2. 締めのラーメンはやめて、焼きおにぎりなどに。
  3. 夜中の12時前には切り上げる。

アスリートもビジネスマンも“体が資本”

 アスリートは常にベストな体調を維持していなければいけません。体調不良で1日でも練習に出られないと、それだけでポジションが危うくなる世界にいるのですから、当然といえば当然のことですが、心身ともに決して楽ではありません。

 それだけに、アスリートは意識して体にいいものを食べ、体にいいといわれる情報は貪欲に取り入れます。しばしばアスリートから栄養相談を受けますが、みんな、とにかくよく話を聞きますし、「何食ったら疲れが取れますか?」「どうしたら体脂肪減りますか」などと聞いてきます。

 ビジネスマンの方も決して楽な仕事をしているわけではありませんが、健康診断の数値が悪くて私のところに栄養相談に来るビジネスマンのなかには、会社から指示されたので渋々来ましたという感じで、黄色信号が点滅しているというのに、自分の体と向き合うことに積極的ではない方が少なからず見受けられます。

 アスリートとは相談の目的が違うから仕方ないのかもしれませんが、どちらも“体が資本”であることに変わりはないと思うのですが……。

 ただ、アスリートの場合で私が「ウーン、こればかりは仕方ない」と諦めるのはお酒の飲み方です。

 個人差があるとはいえ、多くのアスリートは体力があるせいか飲みっぷりが豪快です。とくにオフの日になると、「この時くらいは」という意識が働きますから、お酒は飲まないようにとか、お酒の量は控えめになどと言っても無理。そこで、飲むならエネルギー量ができるだけ少ないおつまみを選ぶようにしてね、とアドバイスしています。

飲み会は特別な日と割り切ってしまう

 ということで、今回はお酒の飲み方とダイエットがテーマです。

 第6回目で、おやつ(補食)類は1日の総摂取エネルギーの10%程度で、お酒もこのなかに含まれるといいましたが、アルコール量にすると1日20g程度といわれています。ビールなら、中瓶1本程度です。

 「金曜日の仕事の後に仲間と飲もうというのに、中ジョッキ1杯なんて冗談じゃない」、という声が聞こえてきそうです。時間を忘れて飲んでいたいという人もいるかもしれません。

 確かに、せっかくの飲み会には少し寂しい量です。アスリートと同様に、飲み会の日は特別な日と割り切って、ダイエットも仕事も忘れるしかありません。けれど、せめておつまみには気をつけてください。

【アルコール20グラムのお酒の量とエネルギー】 

ビール 中瓶1本(500ml) 200kcal
日本酒 1合(160ml) 164kcal
ワイン グラス2杯(200m) 146kcal
焼酎 1/2合弱(70ml) 144kcal
ウィスキー/ブランデー ダブル(60ml) 142kcal

あっさり系のおつまみをチョイス

 おつまみはできるだけ油分(脂質)の少ないものを選びましょう。

 たとえば、唐揚げ、揚げ出し豆腐、ラーメンを焼き鳥、冷ややっこ、焼きおにぎりにすれば、エネルギーにして600キロカロリーくらいは差が出てしまいます。

 ところで、締めにラーメンが食べたくなるのには原因があります。お酒を飲むと肝臓がアルコールの分解を優先して行うようになるため、本来の肝臓の役割である糖の貯蔵を行うことができなくなり、その結果、糖分が不足して低血糖をおこしやすくなります。

 低血糖になると、体は糖を欲して炭水化物(糖)をとりたくなります。お店を出て駅前につくころに、「ラーメンが食べたい!」となるのは、このためです。

 しかし、ラーメンはやめて脂質の少ないそばやお茶漬け、焼きおにぎりくらいにしておきましょう。

 夜22時から午前2時の間は、BMAL1(ビーマルワン)いう脂肪を蓄積しやすいたんぱく質がもっとも働いている時間だといわれています。また、夜は副交感神経が優位となっており、代謝が抑制されているため、夜遅くに食事をすると体脂肪を貯め込みやすいともいわれています。そうした状況のうえに、お酒やおつまみでエネルギーをオーバーしてしまうのですから、ダイエットを目指す人にとっては、「たかがラーメンされどラーメン」と心に刻んでおきましょう。


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