2024年11月22日(金)

進化する「食」

2017年3月18日

プロスポーツ選手の食事管理に学んでみよう

 プロスポーツ選手はそのパフォーマンスを常に最大限発揮できるよう、1年中、抜かりなく自分の体の管理をしなければなりません。なかなか厳しい生活ですが、特別な状況でもない限り、1日の摂取エネルギー量が厳密に決められているわけではありません。私たちがアドバイスはするものの、日々、自分で体の状態を把握し、自分で食事の管理をするのが基本です。こうした彼らの1日単位のエネルギー管理術は、ビジネスマンの方にも参考になることがあるはずです。

(iStock)
 

 サッカー選手は12月から1月半ばあたりまではオフシーズン。ラグビー選手は2月から3月がオフになります。この季節は、トップ選手も少しのんびりできるのですが、体重管理の点では気を抜けません。

 サッカー選手の場合、人によって多少の違いはあるものの、おおむねインシーズンには1日3500キロカロリーを消費しています。ラグビー選手だともう少し多くて4500キロカロリーくらいの消費量になります。しかし、オフシーズンに入ると練習量が減るので、消費するエネルギー量も1000キロカロリー程度はインシーズンより減らさなくてはなりません。

 オフシーズンが終わったときに、体重が2キロも3キロも増えてしまうと、それだけ体に重りを付けたようなもの。プレシーズンのキャンプは一年のうちで練習量が最も多いので、体重が増えると体に負担がかかってしまいます。これが原因でケガをすることもありますから、オフシーズンといえどもプロレベルになると、やはり体重や体脂肪が増えすぎないように、厳しく自己管理をしています。

 私がプロスポーツ選手たちにシーズンごとのアドバイスをするきには、以下の表を目安にするよう伝えます。

食事の管理で仕事を乗り切る

 ビジネスマンの方なら、上の表を次のようにイメージすると参考になります。

 オフシーズンはまさに仕事から仕事への移行期ですから、休日や正月休み・夏休みだと想像してください。この時期は、気分に任せて食べすぎたり、お酒を飲みすぎてしまったりしがちではないでしょうか? いうまでもなく、過剰なエネルギー摂取は肥満のもとです。

 プレシーズンは週の前半、もしくは休暇明けです。忙しい日々の生活に、体を徐々に合わせていくために、エネルギー源となる炭水化物(ご飯、パン、麺類)やたんぱく質(肉、魚、卵、豆・豆製品)は必須です。これらはしっかりとってください。

 インシーズンは週の後半や大事なプレゼンの日、体力を使う出張などの日です。エネルギー源の補給を怠ると、ここぞという時に力を発揮できませんから、忙しい時間のなかでも脳のエネルギー源となる炭水化物やたんぱく質は毎日とるようにします。疲れたから肉をガッツリ食べるというのも間違いではありませんが、エネルギー作りや体のさまざまな機能をスムーズに働かせるビタミン、ミネラル、食物繊維の豊富な野菜や果物、きのこ、海藻類なども忘れずに食べるようにしたいですね。

 このように、その日の活動に合わせて効果的に食事をとれば、体調もよくなり、肥満の原因になる過剰なエネルギーをとることも少なくなります。

 いかがでしょう。その日に食べるべきものが見えてきましたか?


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