意識して食べることで体は変わる
ベテランのスポーツ選手になると、自己管理もうまくなります。たとえば、「今日はウエイトトレーニングをしたので筋肉の材料となる肉をガツンと食べよう」、「今日は走り込みをしてエネルギーを使ったので炭水化物をしっかり取ろう」という具合に、トレーニングの量と時間と内容に合わせて、食べるものも変えます。そのため、年間を通して体重や体脂肪率の変動が少なく、質のよいトレーニングを繰り返して試合(本番)に臨むことができます。その点、自己コントロールに慣れていない若手選手は毎日好きなものばかり食べて、余計な体脂肪をつけてしまったり、風邪をひいてトレーニングを休む、ということになってしまいます。
また、プロのサッカーチームや社会人ラグビーチームでは、インシーズンになると、試合の前日からエネルギー源となる炭水化物(筋グリコーゲンの材料)をできるだけ多く体に蓄えるため、夜食におにぎりやフルーツを用意したりします。また、同様の理由で試合の3~4時間前にはエネルギー源となる補食(おにぎり、うどん、パスタ、サンドイッチ、フルーツ)を準備し、試合でベストなパフォーマンスが発揮できるよう、食事計画を立てて試合に臨みます。
ビジネスマンの方も、自分が日々、どのような生活を送っているかを意識することから始めてみてはいかがでしょうか。「今日は営業ですごく歩いたから夕食はしっかり食べよう」とか、「今日はデスクワークだったから控えめにしておこう」とか、その日の活動に応じた食事を心掛けていれば、エネルギーのコントロールもしやすくなり、体重や体脂肪率の変動を抑えやすくなります。
表に、ビジネスシーンに役立つ食事のポイントをまとめてみましたので、日々の生活に役立ててみてください。
多くのビジネスマンは、三度の食事に何をとるか、あるいは何を食べたかなど、普段あまり意識していません。体の状態に耳を傾けながら食事を選ぶというより、忙しいから、とりあえず何か食べておこうという気持ちで食事をしているのではないでしょうか。
しかし、忙しい現代社会だからこそ、体のことを考えて日々の食べ物を選ぶことが大切です。
疲れを明日に持ち越さないためにビタミンやミネラル、機能性成分が豊富な野菜や果物を意識して食べようとか、風邪が流行っているから免疫力を高めるためにヨーグルトを食べようとか、あるいは今日は大事なプレゼンがあるから、脳のエネルギー源となるご飯(炭水化物)をしっかり食べよう、というように、日々の生活や体調に合わせて何を食べるかを意識することが大切です。そうした習慣が、余分な体脂肪をつけない食事管理につながります。
(編集・鮎川京子)
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