海野素央の Love Trumps Hate

2017年12月24日

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海野素央 (うんの・もとお)

明治大学教授、心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08~10年、12~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年及び12年の米大統領選挙においてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。著書に「オバマ再選の内幕―オバマ陣営を支えた日本人が語る選挙戦略」(同友館)など多数。

ティラーソン解任によって失うもの

 ティラーソン国務長官が解任されると、トランプ政権は「ブレーキ役」及び「火消役」を失うことになります。トランプ大統領が12月12日、イスラエルの「エルサレム首都移転」承認を発表すると、同長官は「この件は時間かかる。土地取得や建設作業もある。移転は再来年以降になる」と述べて、同大統領の外交政策に対する非難を和らげる役割に徹しました。

 「ブレーキ役」並びに「火消役」を果たしてきたティラーソン国務長官ですが、「前提条件」に関して大きくぶれる発言をしたために、同長官に対する信頼が揺らいだことは間違いありません。特に、トランプ支持者にとって、もともと不人気であった同長官に対する信頼は、さらに低下したことは否定できません。

 12月18日、トランプ大統領は外交・安全保障の指針「国家安全保障戦略」を発表しました。同大統領は、北朝鮮との間に生じているコンフリクトに「力」で対処する姿勢を崩していません。ティラーソン国務長官にとって「力」とは軍事力ではなく、対話力及び交渉力であり、今後も2人の溝が埋まる可能性はかなり低いといえるでしょう。

  
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