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2018年4月26日

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樫山幸夫 (かしやま・ゆきお)

元産經新聞論説委員長

元産經新聞論説委員長。政治部で中曽根首相番、竹下幹事長番、霞クラブ(外務省)詰め、ワシントン特派員、同支局長、外信部次長、編集局次長、正論調査室長兼論説委員、産経新聞社監査役を歴任。2度のワシントン勤務時代は、ホワイトハウス、国務省などを担当、米国の内政、外交など幅広く取材した。

危険な「安堵感」

 「金正恩の野望」を描いた4月22日放映のNHKスペシャルで、韓国に亡命した北朝鮮のテ・ヨンホ元駐英公使が語っていた。「北朝鮮は昨年まで、核実験、ミサイル実験を繰り返してきた。今年になって対話路線に転換した。世界は〝ああ、よかった〟と思うだろう」―。この安堵感が危ない。アフガニスタン、イラクにおける戦争で、米国民の間には〝厭戦気分〟が少なくない。平和解決こそ最も重要なことではあるが、心理的なスキが不必要な妥協を生むことがあってはなるまい。
 安易な妥協で合意が成立した場合、宥和主義によるものか、トランプ政権の判断ミスによるかはともかくとして、もたらされる深刻さは同じレベルだろう。

 断っておくが、筆者は映画に感化されて、首脳会談より戦争による解決をーなどといっているのではない。不必要な譲歩は有害、危険であるか、ということを強調したいだけだ。

 安易な妥協によってヒトラーの跳梁を許してしまったチェンバレンは、罵声を浴びながらの退陣を余儀なくされた。

 トランプ大統領は、「チャーチル ヒトラーから世界を救った男」を鑑賞しただろうか。まだなら、首脳会談前にぜひ見てほしい。

  
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