(4) 広州における米国外交官の異変問題
中国の広州にある米国総領事館に勤める米国外交官が、異常な音を聞いて脳に損傷を受けた事件に関して記者から質問があった。この事件は、かつてキューバにいた米国外交官やその家族らが似たような症状を起こしたことを想起させた。その時は、米国外交官を早期に米国に帰国させ、在米のキューバの外交官を召還させることにも発展した。
今回、米中両国の外相は協力して捜査し真相を解明することにしたが、王外相は、捜査したが音波を発した人はいなかったし、この個人的問題を外交関係にしてはいけないと述べた。王外相は、「個人的問題」と割り切り解決済み的な発言をしているが、今後、中国内で外交官や企業人が活動するにしても不安な出来事である。
(5)米朝首脳会談
米中両外相とも、6月12日に予定通り米朝首脳会談が行われることに期待感を示した。それは歴史的なものとなり、朝鮮半島の非核化に通じ世界にも良いこととなるだろうとの認識だ。国連安保理決議を遵守する姿勢を中国側も明らかにしたが、王毅外相は北朝鮮の「正当な安全保障上の懸念」にも応えてあげる必要があるとした。王外相は、米朝首脳会談をやるなら「今しかない」と相当、後押しした。
今回、ポンペオ国務長官と王外相は初めての会談だったが、貿易等経済問題も含め、両国間の懸案事項を率直に議題にして話し合ったようである。近いうちに、ポンペオ国務長官が北京に行って再度、外相会談を開催することも決まったようだ。朝鮮半島や台湾問題、南シナ海を含め、東アジア情勢をめぐる国際情勢は、大きく動いている。
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