自治体首長インタビュー

2018年8月6日

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井崎市長:転入者が増え、地域への満足度が高まっていくと、彼らが発信する情報がまた人を呼ぶ、という好循環が生まれます。5~10年前までは基本的に行政からの情報発信がメインでしたが、最近では市民自らの口コミが何よりの信頼できる情報源となっています。タウンミーティングなども、一昔前は退職後の高齢者の方が多かったのですが、最近では引っ越してすぐ、小さいお子さんを連れて家族でやってくる方も増えています。先ほどの「母になるなら、流山市。」のポスターのモデルとなる家族を選ぶコンテストが今年初めて開催されたですが、これも行政ではなく市民が主体的に行なった、といったような動きが出てきているのです。

 今、流山市は主体的な市民活動を応援する、という立場にあり、邪魔をしてはいけない、と考えています。市民の知恵を活かす街でありたいと思います。

井崎義治流山市長

――ブランディング戦略を含め、この人口減少時代に選んでもらう自治体になるために必要なものは何でしょうか。

井崎市長:何もしなければ人口が減少していく時代に何をすべきか――。「4つの条件」が必要だと考えています。「母都市への交通利便性の向上」「良質な住環境の維持・向上」「快適で楽しい都市環境の創出」、そしてそれらをPRしていく「ブランディング戦略」です。これらの要素がないと、地方自治体が生き残るのは難しいと思います。

――「母都市への交通利便性の向上」は、まさにTXの存在が大きいですね。

井崎市長:TX沿線の流山市の駅は3つあり、いずれも秋葉原駅まで30分以内です。これらの駅と連動した市内を走るバス路線網の整備だけでなく、福祉タクシーや高齢者等市内移動支援バス、外出支援サービスなど、交通弱者に対して交通手段の充実を図っています。

――「良質な住環境の維持・向上」は、子育て世代を呼び込むにはなくてはならない施策です。

井崎市長:TXの開発によって流山市の豊かな緑が減ってしまうことが懸念されました。そこで2006年から「グリーンチェーン認定制度」を導入しました。これは、市の基準に沿って接道面に高木を植え緑化した物件に対して市が認定するもので、不動産会社はそれを広告に利用することができ、認定物件の購入者は市内の金融機関で優遇金利で融資を受けられます。認定物件の資産価値を向上させる効果も実証されています。

 基本的には流山市は戸建ての住宅が主流なので、良質な低層住宅の住環境のために景観条例(07年)や開発事業の許可基準等に関する条例(10年)では最小区画面積を拡大するなど良質な住環境の維持・創出を図っています。

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