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2018年8月9日

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中西 享 (なかにし・とおる)

経済ジャーナリスト

1948年岡山県生まれ。72年共同通信社に入社。88年から91年までニューヨーク特派員、経済分野を取材し、編集委員を経て2010年に退社。現在は経済ジャーナリスト。著書は「ジャパンマネーの奔流―ニューヨーク・東京・ロンドンの24時間」(1987年、ダイヤモンド社)、「日本買い 外資は何を狙っているか」(2005年、PHP研究所)など。

進む「階層化」

 「夫婦の合計年収が2000万円を超えるのを業界ではパワーカップルと呼んでいる。彼らは年収の5倍に相当する1億円のマンションを購入できる。次に32~33歳くらいで年収が1200万~1300万円あるアッパークラスサラリーマンは、7000万~8000万のマンションが買える。この2つのクラスをターゲットにしたマンションは良く売れているが、その下のクラスのマンションは売れ行きが良くない。

 しかも、(アッパークラスより上の)彼らは子供の教育にお金を掛けるので、良い大学、一流企業に就職して、良い給料をもらい、高価なマンションを購入できる。つまりマンションの『階層化』が進んでいる」

 と指摘する。これを2016年に厚生労働省が行った国民生活基礎調査でみると、年収2000万円以上の世帯は全体の1.3%、約64万世帯存在する。(所得金額別にみた世帯数の割合http://www.nli-research.co.jp/report/detail/id=56482&pno=2?sit

 下の階層から上の階層に上ることは可能だが、久光氏は「その比率は小さくなっている」と説明する。つまり、お金持ちは子供や孫の世代までお金持ちで、所得の低い層はなかなかはい上がれない世の中になっているということで、マンションの「階層化」は日本社会全体の世襲化を体現しているともいえる。

 では、所得の低い人はどうしたら住む家をもてるのか。

 「リノベーションした中古マンションか戸建てに住むという手がある。リノベした中古マンションなら郊外の戸建てよりさらに1000万円くらい安く買える。いま中古の契約が増えているのはその表れだ」

 と指摘する。所得の格差イコール住まいの格差というわけだ。

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