8月18日、ドイツのメルケル首相とロシアのプーチン大統領は、ドイツ北東部のメセブルクで会談、ロシアの天然ガスをバルト海経由で欧州に直接輸送する海底パイプライン「ノルド・ストリーム2」の建設を推進することを確認した。同計画には、欧州のロシアに対するエネルギー依存を高めることに繋がるとの批判がある。
会談に先立ち、両首脳は記者会見を行ったが、このうち、プーチン大統領の発言のノルド・ストリーム2に関連する部分の概要を以下に紹介する。
独ロ協力の優先分野の一つはエネルギーだ。ドイツはロシアのエネルギー資源の最大の買い手国だ。2017年にロシアはドイツに538億立方メートルのガスを売った。それは、ドイツの消費量の30%以上にあたる。
ドイツはロシアの炭化水素資源の大市場であるばかりでなく、欧州の他の国々への重要な経由地でもある。6月には、ソ連から西欧へのガスの輸出開始から50周年を迎えた。
この間、我が国はエネルギーの継続的な供給を保証し、欧州大陸のエネルギー安全保障に多大な貢献をしてきた。
独ロは、新しいガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」に関して協働している。このパイプラインは、欧州のガス輸送システムを改善し、供給ルートを多様化させ、輸送リスクを最小化させるだろう。そして、最も重要なことは、欧州経済における、増大するエネルギー資源に対する需要を満たすことになるということである。
私(プーチン)は、ノルド・ストリーム2計画は、純粋に経済的なプロジェクトであると強調したい。ウクライナ経由のガス輸送の可能性を排除するものではない。この点におけるメルケル首相の立場を承知している。
私は、ウクライナのガスの経由地としての地位は経済的必要性に基づくものであるべきだと強調したい。それは、あらゆる場面において経済的に正当化されるものでなければならない。
出典:‘Russian-German talks:Talks between Vladimir Putin and Federal Chancellor of Germany Angela Merkel were held at the Meseberg residence.’(Kremlin August 18, 2018)