2023年2月8日(水)

ビジネスパーソンのための「無理なく実践!食育講座」

2018年10月3日

»著者プロフィール
著者
閉じる

佐藤達夫 (さとう・たつお)

食生活ジャーナリスト

1947年5月30日、千葉県千葉市生まれ。1971年北海道大学水産学部卒業。1980年から女子栄養大学出版部へ勤務。月刊『栄養と料理』の編集に携わり、1995年より同誌編集長を務める。1999年に独立し、食生活ジャーナリストとして、さまざまなメディアを通じて、あるいは各地の講演で「健康のためにはどのような食生活を送ればいいか」という情報を発信している。日本ペンクラブ会員、女子栄養大学非常勤講師(食文化情報論)、食生活ジャーナリストの会事務局長。主な著書共著書に『食べモノの道理』(じゃこめてい出版)、『栄養と健康のウソホント』(一般社団法人家の光協会)、『これが糖血病だ!』(女子栄養大学出版部)、『安全な食品の選び方・食べ方事典』(成美堂出版)、『野菜の学校』(岩波書店)、『新しい食品表示の見方がよくわかる本』(中経出版)ほか多数。講演活動では、「あなたはなぜやせられないか?」「生活習慣病は自分で治す」など肥満や糖尿病のメカニズムや、「健康長寿のための食事と生活」という食生活と健康にまつわる最新情報を、医師の視線ではなく、一般の人にわかりやすいことばで提供する。あるいは、健康を保つ上で欠かせない技術としての「安全な食品の選び方」や「食品表示の見方」あるいは「健康にいい野菜の栄養情報」を、やさしく解説する。また、長年、女性雑誌を編集してきた立場から、「男性の家事が社会を変える」「中高年からの二人暮らし」などのテーマで、男性の家庭内自立を説く。

「一日トータルの摂取カロリー」を減らす

朝食と昼食をたくさん食べて夕食を少なくしても「朝+昼+夜」の合計カロリーが多ければ、体重は減らない(ある種の生活習慣病には好ましい影響を与えるかもしれないが)。

逆に「朝食抜き・昼食控えめ・夕食たっぷり」の食事であっても、一日トータルのカロリー量が少なければ、体重は減る(糖尿病などには悪い影響を与えるリスクが大きいかもしれないが)。

また「寝る直前の食事は体脂肪になりやすい」という研究はあるのだが、その場合でも一日トータルの摂取カロリー量が増えなければ、体重は増加しない。

たしかに、寝る直前の食事は体脂肪になりやすいので、体重は増えやすい。

つまり、夜の間に体脂肪が増えたからといって、翌日の食欲が低下することはないので、多くの人では、一日のトータルの摂取カロリーが増え、そのために体重が増加しやすい。

しかし、翌日の食事量が増えさえしなければ(つまり一日トータルの摂取カロリー量が増えさえしなければ)、前夜に蓄積した体脂肪を(運動エネルギーとして)消費することになるので、体重は増えない。

先に野菜を食べる食事法は、たしかに「その食事の摂取カロリー量は少なくなる」傾向がある。

しかし、それだと「早くお腹が減る」ので、間食をしてしまったり、次の食事の量が増えたりして、結果的に一日トータルの摂取カロリー量が減らないことが多い。

もちろん、この場合は体重は減らない。

入院中など「一日の食事が管理栄養士等によって完全にコントロールされている場合」には、野菜を先に食べると(一日トータルの摂取カロリー量が増えることはないので)体重コントロールが可能になる。

しかも、野菜を先に食べることで食後血糖値の急上昇を押さえることができるために、糖尿病の予防や治療には有効かもしれない。

糖質制限ダイエットは以前にも書いたが(http://wedge.ismedia.jp/articles/-/12359)、糖質を減らしても脂質やたんぱく質が増えれば、一日トータルの摂取カロリー量が減らないので、体重は減らない。

これらのことをしっかりと頭にたたき込まないと、次から次へと登場する「まことしやかダイエット」にチャレンジすることになり、ことごとく失敗する結果を招く。

ダイエットは一生続けるもの

今は「日本人の健康を大きく左右するのが生活習慣病という時代」なので、健康管理の基本は体重管理だといえる。

つまり、体重コントロールは、一時的なものではなく「一生継続すべきこと」なのだ。

もしあなたが「ダイエットをしよう」と決めたなら、最初に考えるべきことは「そのダイエットは、一生続けることができる方法なのかどうか」である。

「体重が速く減るか」とか「ラクに減量できるか」を基準にしてダイエット法を選択してはならない。

仮にそれらの方法で一時的に体重が減っても、止めたとたんに体重は元に戻る。

一生続けられる方法は「現在の食習慣を大きくは変更しない方法」に限られる。

たとえば「主食のご飯を少しだけ減らす」という方法(ご飯茶碗をほんの少し小さな物に代えるという方法もある)。

ラーメンなどの麺類の汁を飲み干さずに残す(汁は塩分だけでなくカロリーも意外に高い)。

天ぷらや唐揚げなど「明らかにカロリーの高い食べ物」は、1週間のうちに摂取する回数を1回だけ減らす。

スイーツやアルコールなどの嗜好飲食物は「飲食したら必ず記録する」。

これらなら、いつも通りの食習慣を大きく変えることはないし、しかも一生続けることができよう。

心配は「そんなことで体重が減るの?」という疑問。

編集部おすすめの関連記事

新着記事

»もっと見る