世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2018年10月9日

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・米国は、自ら及び同盟諸国のエネルギー安全保障のことを真剣に考えている。米国は、世界一のエネルギー供給国である。米国は、その豊富な石油、きれいな石炭及び天然ガスを輸出する用意がある。

・OPECは、世界をだまして石油価格を吊り上げている。私はこれを好まない。誰も好まないだろう。OPEC諸国が価格つり上げを止めることを望んでいる。

・唯一の外国のエネルギー供給国に頼るのは、国家を弱体化させる。その点、私は、ポーランドのような欧州諸国が、バルチック・パイプラインの建設を推進することを称えたい。これにより、諸国はロシアに依存せずにすむ。ドイツは早急に方針を変えなければ、完全にロシアのエネルギーに依存することになるだろう。

・西側諸国は、拡張主義的諸国の侵略から自らの独立を守ることを約束した。米国は、モンロー大統領以来、外国の介入を拒否してきた。米国は最近、外国から米国への投資に関して、国家安全保障の観点から規制を厳しくする法案を成立させた。これに賛同する諸国の協力を歓迎する。自国防衛のために必要なことである。

・この議場を埋め尽くす夢は、ここに集まった国々の数だけ多様である。素晴らしいことである。インドは10億人以上の人口を抱えるが、何百万人を貧困から中流階級へと押し上げた。サウジアラビアは、サルマン国王と王子が新改革を行っている。イスラエルは建国70周年を祝った。ポーランドは、独立、安全保障、主権のために立ち上がった。多くの諸国が、自らのヴィジョンを追求し、希望あふれる未来を築いている。世界はより良くなっている。それぞれの国が、星座のように、特別でユニークで、この地球で輝いているからである。

参考:The White House ‘Remarks by President Trump to the 73rd Session of the United Nations General Assembly’ September 25, 2018

 こうしてトランプ大統領の国連演説の全文を読み、その一部を引用しただけでも、トランプ大統領の考え方が浮かび上がってくる。

 冒頭は、まるで選挙演説のように、自らの手柄を自慢することで始まるが、演説の最後は、国連の議場に集まった各国代表に語りかけて終わる。

 上記で引用した貿易不均衡の是正に関する部分では、中国のみが名指しされた。中国がWTOに加盟してから雇用が奪われたと述べる等、中国には厳しい内容になっている。また、対米投資委員会の審査が強化された点、技術移転の強要、独立を害す強圧的態度等に触れているが、いずれも中国が念頭にあることは、米国の政策を見ていれば、明らかである。

 演説の最後の方で、トランプ大統領は、インド、サウジアラビア、イスラエル及びポーランドに言及した。トランプ外交で重要な位置を、これらの諸国が占めているのが分かる。

  
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