2024年7月15日(月)

Wedge REPORT

2011年7月27日

NOPOPOの断面図
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 水電池と市販されている乾電池の原理は、基本的に同じと考えてよい。簡単にいうと2種類の異なる金属があり、その間にある電解液に電気が流れるというもの。NOPOPOは表の通り、水分を入れることで、緑色の部分の発電物質が水を吸収し、電解液となって発電が開始される。

最も大きな技術的なポイントは水分を吸収する発電物質。中身は「活性炭や二酸化マンガンを中心とした粉体」(石川氏)であるが、詳しくは企業秘密という。活性炭とは冷蔵庫内の臭い取り等に使われる炭だが、粒の大きさや形を変えるだけで、発電量に大きな違いが出るという。

 マイナス極に使うマグネシウム合金や、プラス極側の集電棒にも細かい工夫が施されているが、こちらも企業秘密。石川氏は起業時から、少量の水で、通常の単三電池と同じ程度の発電量の実現を目指した。基本原理は確立されているので、ただひたすら組み合わせを試す日々だったそうだ。

 NOPOPOが完成するまでは、微量の電流が流れる水電池を使った、企業や団体のノベルティーグッズなどを販売していた。有害物質を使わない、環境に優しい電池ということで、プリウスの販促グッズにも採用された実績がある。

NOPOPOを開発した石川忠社長。

 そして、07年6月に、第一世代となるNOPOPOを完成させ、発売。当時は、極端な電池の膨張や、水を入れなくても自然放電するなどの致命的課題があったが、それらを改良し、現在に至る。震災により注目されるやいなや「昨年とは比べものにならないほどの売り上げ増で、50万本/月の販売」(石川氏)につながった。

 同社は現在、水電池をつかった介護用品の共同開発を進めている。おむつに水電池のセンサーをセットすると、排泄物の水分で発電し、センサーの先につながったアラームが鳴るという仕掛けだ。「人手不足に悩む介護業界の助けになるはず」と石川氏は考えており、今後も水電池を核とした商品開発を進めていくという。


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