2024年4月17日(水)

前向きに読み解く経済の裏側

2018年12月10日

固定金利を保険料と考えよう

 変動金利で借りる場合、将来の金利が上がるか下がるかわかりません。そこで、固定金利で借りることによって「高い金利を払わされるリスクがなくなるが、変動金利が下がっていくチャンスも放棄する」ことになるわけです。それならば、どちらに賭けるか、という話になります。

 筆者は小心者なので、「金利が高騰して巨額の利払いが発生するリスクを避けるためなら、金利が低下しても受けられるチャンスを放棄するのは仕方ない」と考えますが、そのあたりは人それぞれでしょう。

 しかし、現在の金利を見てみましょう。変動金利は0.4%程度です。これがさらに低下したとしても、得られるメリットは非常に小さいでしょう。一方で、金利が上昇してしまうリスクは決して小さくありません。そうであれば、固定金利で借りるメリットは大きいでしょう。
 
 一方で、固定金利の方が変動金利より高くなっています。「将来の短期金利が今より高くなりそうだから」という事ですし、「なぜ固定金利の方が高いのか」といった経済学理論もあるのですが、本稿ではそうしたことは忘れて、その差は「保険料」だと考えることにしましょう。

 「保険料を払ってくれた人には、家が火事で焼けたら1000万円払ってあげます」というのと「保険料を払ってくれた人には、変動金利が今後上昇しても、上昇した分はすべて保険会社が払ってあげます」というのは同じことですから。

 その「保険料」が、今は大変安いのです。住宅ローンの借り先にもよりますが、1.4%程度の所が多いようです。その程度で金利上昇リスクが避けられるならば、是非「保険」に加入すべきだと筆者は強く考えています。


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