2024年11月22日(金)

前向きに読み解く経済の裏側

2018年12月25日

 今回は『老後破産しないためのお金の教科書 』の著者である塚崎が、iDeCoやNISAのメリットについて解説します。

 政府は「貯蓄から投資へ」「貯蓄から資産形成へ」という掛け声をかけて、国民に資産運用を促しています。それを側面支援するために導入されているのがNISAとiDeCoです。

(Miyuki Satake/Gettyimages)

NISAは投資収益が非課税

 株式投資などにより、配当所得や譲渡所得が生じた時は、通常であれば20%強の税金が掛かります。その例外として、NISA、ジュニアNISA、およびつみたてNISAの場合には、一定の条件を満たす投資について、配当所得や譲渡所得が非課税になるのです。

 NISAは、20歳以上の投資家が対象で、毎年120万円の投資枠があり、その範囲内で投資をした場合は、配当所得と譲渡所得が非課税になります。非課税枠は毎年あり、期間が5年なので、合計600万円までが非課税で運用できることになります。

 妻に毎年120万円ずつ贈与していけば、夫婦合計で1200万円の非課税枠が使えるというわけです。120万円を贈与すると毎年1万円の贈与税がかかりますから、それを避けるなら毎年110万円の贈与と投資で我慢する、ということになりますが。

 現在すでに潤沢な資金を持っている中高年などが主な利用者でしょう。一般の口座で所有している株式等を一度売却してNISA口座で新たに購入することによって、手数料はかかりますが非課税メリットが受けられる、というわけですね。

 つみたてNISAは、毎年40万円が上限ですが、20年間にわたって投資できるので、最終的な投資残高は800万円までが非課税で運用できることになります。現在はそれほど資産がないけれども、長期にわたって少しずつ資産を蓄えて行こう、という若手から中年が主な利用者でしょう。

 ちなみに、NISAとつみたてNISAは同じ年に併用できないので、「両者の合計で600万円プラス800万円の枠がある」わけではないので、ご注意ください。

 以上は大人名義の資産形成用でしたが、子供名義での資産形成には、ジュニアNISAという非課税制度もあります。これは、非課税枠が毎年80万円で、原則18歳になるまで引き出せません。子供が大学に進学する際の費用に充当しても良いですし、子供への遺産の生前贈与といった意味を持たせても良いでしょう。


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