2024年4月23日(火)

ジェンダー観をアップデートする

2018年12月28日

大政奉還の頃のままの男女観

――話題が変わりますが、医大の受験で、女子受験生が一律減点されていたことが話題になっています。ご感想を伺いたいです。

姫野:他の大学もやってることだと思います。なんでそんなことが起こるかっていうと、昔の感覚のままだからです。

――昔の。

姫野:昔って、大政奉還の頃くらいのことよ。

――大政奉還!

姫野:当時の感覚のままだから、「女性は出産や子育てがあるから」とか「女性は僻地に行ってくれない」と言っている。たとえば、なにか病気があって、若い頃に「子どもが産めない」とわかる人もいますよね。「自分はこういう病気にかかったから医学で頑張りたい」という人もいる。150年もたった現代ではいろんな人がいるのに、「女性はこう」という感覚のまま。

――今、異性と結婚したいとか、子どもが欲しいとかいう人ばかりでもないですよね。

姫野:男性だって、「パートナーが都内で働いていて離れたくない」っていう人もいるかもしれない。もっとちゃんと意識調査をしたほうがいいんじゃないかしらと思います。調べ直す必要性にも気づいていないように見えますね。

――男性社会を維持しようとする人たちの中で、「女性のあり方」も「男性のあり方」も大政奉還の頃で止まっているのかもしれないですね。とにかく、セクハラ疑惑について「はめられた可能性は否定できない」とか言っていた方にも、『彼女は頭が悪いから』を読んでもらいたいと思いました。今日はありがとうございました。

  
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