CES(コンシューマー・エレクトリック・ショー)では様々なスタートアップ企業による新しい製品に出会えるのも楽しみの一つだ。今回、Show Stopper というスタートアップを集めてメディアに紹介する、というイベントが行われ、数々の新しい技術に出会った。その中でも出色だと感じたのがこの「スマホケース・セルフィードローン」だ。
この製品を作り出したのはドイツのAEE社。スマホケースの裏に収まる超小型ドローンだが、WiFiでスマホと連携しており、スマホを使ってこのドローンをコントロールする。内蔵された超小型カメラの映像がスマホ画面でチェックできる。使わないときはプロペラを畳み、スマホケースの裏にピッタリと収まる。ケースはどんなスマホのモデルにも対応できる、という。
製品の名前はSELFLY。もちろんセルフィーだけではなく空中から様々な映像を撮影できる。独自のパテントを持ち、プロペラを畳んでスマホケースに収まった時の厚みはわずか10ミリ。スマホと一緒にポケットに無理なく収まるサイズである。
ドローンとしてのサイズは縦141.1ミリ、横70.2ミリで重さは68グラム。スマホからコントロールできる範囲は15メートル。バッテリーがフルに充電されている状態で9分間の飛行が可能だ。
映像も高画質で、画像サイズは2560X1440ピクセル、動画は720ピクセル。写真撮影にはディレイモードもあるほか、レンズも広角からノーマルまでの撮影が可能だ。また9分間の撮影では物足りない、という場合はオプションでパワードックも購入できる。厚みはほぼ2倍になるものの、撮影時間は3時間となる。
飛行モードもスマホ画面でコントロールするほか、ジョイスティック、ポッドによる操作も可能だ。さらに「フォロー・ミー・モード」というのがあり、スポーツなどをしているときに上空から自分の姿を移し続けたい、という場合に便利だ。
また顔認識により同じ顔を追い続ける、カメラの前でジェスチャーコントロールを行う、という機能まで付いている。上空から航空写真を撮るようなドローンではないが、「自分の目線で様々な映像を異なる角度で撮影できる」のが特徴なのだという。
SELFLYはスマホアプリをダウンロードして使用するが、このアプリにはワンクリックで撮影した映像をダウンロードし、友達とシェアできる機能もついている。生活のいろいろな場面でユニークな使い方が考えられる。
実際にショーの会場で飛行のデモンストレーションも行われたが、操縦者の前方、1.5メートルのほどの高さに安定してホバリングしており、操縦者の姿をしっかり映像として捉えていた。超小型ではあるが実力は十分で、価格も米国での予定販売価格が99ドル、と非常にリーズナブルだ。何よりも使っていないときは普通のスマホケースとして全く場所を取らない、というコンセプトが優れている。
AEEはすでに欧州、そして中国に拠点を持ち、今後米国からアジアへと世界中に販路を広げていく予定だという。見た目もスタイリッシュ、機能もドローンとしては十分、何よりも話題性があり、発売されれば人気を呼びそうだ。
スマホの裏からパカッと取り出し、ワンタッチでプロペラを引き出してドローンに早変わり、というユニークなアイデア。使い終われば再びワンタッチで折りたたんで元通りスマホケースにぴったりと収まる。SELFLYはヒット商品になる可能性を十分に秘めている。
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