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2018年12月24日

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(vadimmmus/gettyimages)

 フォード自動車が新年を前に「ノイズキャンセリング・ケンネル」のプロトタイプを発表した。文字通り、中にいる犬に対し外界の音をシャットアウトする、というユニークな犬小屋だ。

 これはフォードが新たに始めた「インターベンション」と呼ばれるイニシアチブの一環で、同社が自動車製造で培ったノウハウを日常生活のあらゆる問題の解決に役立てよう、という社内ベンチャー、発明を促進するものだ。その発明のひとつが、このノイズキャンセリング・ケンネルなのだ。

フォードの「ノイズキャンセリング・ケンネル」プロトタイプ

 なぜ犬小屋にノイズキャンセリングが必要なのか? フォードの調査ではおよそ45%の犬が外界の大きな物音、特に花火の音に過剰に反応する、という。確かに毎年米国では7月4日の独立記念日の花火の後、多くの犬がシェルターに保護される。花火の音に驚いて逃げ出す犬がそれほど多いということだ。

 フォードは同社のSUV、エッジにノイズキャンセリング・テクノロジーを採用している。快適な乗り心地を提供するため、車内に設置されたマイクロフォンがエンジンやトランスミッションなどからノイズを感知した際に、オーディオシステムからこのノイズを打ち消す音波を発して車内の静寂性を保つ、というものだ。このシステムを使って犬にとって快適な住まいを提供し、飼い主にも花火の音に驚いて犬がパニックに陥ったり逃亡する、という不安を取り除く、というのが今回の目的なのだという。

 犬小屋のシステムもエッジに採用されたシステムとほぼ同じで、小屋の中に設置されたマイクロフォンが花火やそれと同様の犬にとって不快な音を感知すると、小屋にビルトインされたオーディオシステムがそれを打ち消す音波を発生し、完全に、あるいは非常に低いレベルにまで騒音を消すことができる。また素材にも防音効果の高い高密度コルクが使用されている。しかもこの犬小屋、自動ドアがついていて犬が近づくと自動的に扉が開き、中に入ると閉じる。もはや犬小屋、などと呼ぶのは失礼、犬のためのハイソな住宅、とでも呼べそうな内容だ。しかもデザインもモダンコテージ風でオシャレだ。

 ただし現時点ではまだコンセプトであり、実際に製造されるかどうかは未定だ。価格も犬小屋としてはかなり高額なものになりそうだが、それも発表されていない。

 フォードのインターベンションでは昨年「マックス・モーター・ドリーム」と名付けられた赤ちゃん用のクリブを発表したことがある。赤ちゃんが車に揺られると良く寝る、という意見を元に、車に乗っているときのような振動を与える小型ベビーベッドである。

 これは非常に凝ったコンセプトで、まずベッドの上部に「街の光」を感じさせるLED照明を設置。さらにベッドの下にスピーカーを入れて車のエンジンノイズを聞かせる。そしてベッドそのものが車の振動を感じさせるバイブレーションを与える、というものだった。しかもスマホアプリで「いつも通る道のルート」をベッドに送り、そのドライブに対応した揺れを提供する、というオプションまでついていた。

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