海野素央の Love Trumps Hate

2019年3月7日

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海野素央 (うんの・もとお)

明治大学教授 心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08年~10年、12年~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年と12年米大統領選挙で研究の一環として日本人で初めてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。激戦州南部バージニア州などで4200軒の戸別訪問を実施。10年、14年及び18年中間選挙において米下院外交委員会に所属するコノリー議員の選挙運動に加わる。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。中西部オハイオ州、ミシガン州並びに東部ペンシルべニア州など11州で3300軒の戸別訪問を行う。20年民主党大統領候補指名争いではバイデン・サンダース両陣営で戸別訪問を実施。南部サウスカロライナ州などで黒人の多い地域を回る。著書に「オバマ再選の内幕」(同友館)など多数。

ナドラー委員長の反撃

 トランプ大統領はベトナムでの米朝首脳会談と同じ日に、元顧問弁護士マイケル・コーエン被告の公聴会を設定した下院の民主党をかなり憎んでいるようです。

 ベトナムから帰国すると早速、「民主党が有罪を宣告されたうそつき(コーエン被告)に、公開の公聴会を開催したことは、米国の政治において、おそらくこれまでにもないほど卑劣なことだ。交渉で退席する一要因となったかもしれない。大統領が海外にいるときに2度とやるな。恥だ!」と、自身のツイッターに投稿しました。

 当然ですが、共和党が昨年の米中間選挙における下院で勝利していれば、コーエン公聴会は開催されませんでした。ましてや、米朝首脳会談と同日の開催はあり得なかったのです。

 下院で多数派となった民主党は、ロシア疑惑及びトランプ大統領のビジネス取引を解明するために、本格的に動き始めました。特に、下院監視・政府改革委員会、司法委員会、情報特別委員会及び歳出委員会は、米議会が持つ捜査権を最大限に活用して公聴会を開き、これまで共和党がメスを入れてこなかった箇所を中心に追及を強めていく姿勢を示しています。

 下院司法委員会のジェロルド・ナドラー委員長(民主党・東部ニューヨーク州第10選挙区選出)は、米ABCニュースとのインタビューで、「私はトランプ大統領が司法妨害をしたと信じています」と述べました。この発言は注目に値します。

 ナドラー委員長は、下院司法委員会による捜査は、トランプ大統領の「権力乱用」「腐敗」「司法妨害」の3つに焦点を当てるとも語りました。

 さらにナドラー委員長は、捜査対象となる81名の個人及び団体に対してロシア疑惑に関する関連資料の提出を求める書簡を送ったことについても言及しました。その中には、長男のドナルド・トランプ・ジュニア氏、次男のエリック氏、娘婿のジャレッド・クシュナー大統領上級顧問、トランプ陣営と内部告発サイト「ウィキリークス」との仲介役を果たしたといわれているロジャー・ストーン被告、ウィキリークス代表ジュリアン・アサンジ氏などが含まれています。

 米ワシントン・ポスト紙は、長女のイバンカ大統領補佐官も今後数週間に書簡を受け取るだろうと報じています。関連資料の提出がない場合、ナドラー委員長は彼らを米議会に召喚する決意です。

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