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World Energy Watch

2019年3月13日

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山本隆三 (やまもと・りゅうぞう)

常葉大学名誉教授

NPO法人国際環境経済研究所所長。住友商事地球環境部長などを経て現職。経済産業省産業構造審議会臨時委員などを歴任。著書に『電力不足が招く成長の限界』(エネルギーフォーラム社)など多数。

韓国は原子力技術を維持

 2017年末にそれぞれ570万kW、120万kWだった太陽光、風力発電設備量は、2030年には3650万kW、1770万kWに拡大し、廃棄物、バイオマスなどと合わせ電力需要量の20%を供給する計画だ。再エネ20%の計画に関しては、韓国内に適地が少ないと批判する声もある。

 また、政府が電力需給計画では2030年までの電気料金上昇率を10.9%と見込んでいることにも疑問がある。過去13年間の電気料金上昇率は、コスト競争力がある石炭、原子力による供給増があったにもかかわらず13.9%だった。天候次第の不安定な再エネにより供給が増加する中で、上昇率を抑えられるのだろうか。 

 韓国政府の再エネ20%の背景には、太陽光、風力発電設備の供給を増やし、企業を育成するグリーン成長路線がある。過去ドイツ、日本などが打ち出したが、結局、政府の支援を受ける中国企業の成長に結びついた政策だ。韓国政府の規制によりもたらされる競争力のある電気料金で中国企業に対抗することはできるのだろうか。

 文政権は脱原発・脱石炭と打ち出しているが、中期的には脱原発・石炭は実現されず韓国は原発技術を維持しつつ輸出も行う方針だ。再稼働が進まない日本は、原発技術の維持が困難な状況に追い込まれつつある。韓国は脱原発を打ち出すも、その実態はしたたかだ。

  
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