平安時代末期、武士として初めて権力の頂点に立ち、一時代を築いた平清盛。平成24(2012)年に50年の節目となるNHK大河ドラマで、平清盛の生涯が放映されるのを機に、ゆかりの美術・工芸品を展示した特別展が開かれる。
『平治物語絵巻』断簡(六波羅合戦巻)
鎌倉時代 MIHO MUSEUM所蔵
白馬にまたがる平家の武者と、大薙刀を手に駆ける軍卒
鎌倉時代 MIHO MUSEUM所蔵
白馬にまたがる平家の武者と、大薙刀を手に駆ける軍卒
『平家物語』以来、“驕(おご)れるもの”として描かれることの多い平清盛だが、日宋貿易を推進し、嚴島神社の造営に力を入れ数々の文化遺産を後世に伝えるなど、その功績は少なくない。
特別展では、合戦絵巻などを基に全盛期までの道のりをたどる「平氏隆盛の足跡」、後白河法皇や西行法師など同時代の人物を紹介した「清盛をめぐる人々」、絵画など多くの作品の題材となった「平家物語の世界」など、5つのテーマで構成。平清盛の生涯を、時代背景とともに振り返る趣向だ。
中でも、清盛が深く信仰を寄せた嚴島神社所蔵の宝物の数々は圧巻。清盛をはじめとする平家一門が奉納した「平家納経(のうきょう)」や納経を収めた豪華な装飾の「金銀荘雲龍文銅製経箱(きょうばこ)」など、国宝となっている平安時代の貴重な文物を通して、往時の栄華を感じたい。
NHK大河ドラマ50年 特別展 平 清盛
<開催日>2012年1月2日~2月5日
<会場>東京都墨田区・江戸東京博物館(総武線両国駅下車)
<問>03(3626)9974
http://www.edo-tokyo-museum.or.jp/
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