プロも高齢者も通うトレーニング施設
ワールドウィングは昭和56年(1981)、神経と脳科学を専門とする動作科学の研究者・小山裕史(こやまやすし)先生が設立。平成6年(1994)に小山先生が発表した「初動負荷理論Ⓡ」に基づくトレーニング方法※で、多くのアスリートを指導するトレーニング研究施設である。イチローをはじめプロ野球選手や、サッカーの三浦知良(かずよし)、プロゴルファーの青木功など、そうそうたるトップアスリートが小山先生を訪ねてわざわざ鳥取までやって来る。
※「初動負荷理論Ⓡ」「初動負荷トレーニングⓇ」についてはホームページをご覧ください
研究所に隣設した立派なトレーニングルームは、独自に開発した最新のマシンを完備しており、町工場というよりスポーツジムだ。
しかもてっきりアスリートが身体を鍛えているかと思いきや、専用のマシンで「初動負荷トレーニング®」に励んでいるのは、シニアの人やリハビリ中の人たちである。その足には、みんなビモロシューズを履いている。
「驚いたでしょう。平日の午前中はいつもこんな雰囲気です。ここは会員制で誰でも利用できますから、シーズンオフになると、地元のご年配の方々がいっちゃんと同じマシンを使うなんてことも珍しくないんですよ」
にこやかにそう言って、館内を案内してくれる小山先生。ちなみに「いっちゃん」とは、オリックス時代から体調管理に関わってきたイチローのことであります。
小山先生は、知り合いになった人たちは親しみを込めてみんなあだ名をつけて呼ぶ。
この日も来訪した元中日ドラゴンズの「マチャ丸」こと山本昌(まさ)さんと「ヒトくん」こと岩瀬仁紀(ひとき)さんにビモロシューズを履いてもらい、ピッチングに立ち会っていたところである。
ご自身はみんなから「コロニャン」と呼ばれている。実にチャーミングで、失礼ながら博士号を持つ先生にはとても見えません。