前向きに読み解く経済の裏側

2019年6月24日

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塚崎公義 (つかさき きみよし)

経済評論家

1981年 東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。主に経済調査関連の業務に従事。2005年 銀行を退職して久留米大学へ。現職は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は一個人として行うものであるため、肩書きは「経済評論家」とする。

年金で足りない主因は平均寿命が伸びたから

 年金の制度は、現役世代から集めた年金保険料を高齢者に支給する「賦課方式」となっています。これは、インフレが来た時に現役世代の給料が上がり、年金保険料を上げることができ、高齢者に支給する年金額を増やすことができるので、合理的な仕組みだと言えるでしょう。

 しかし、少子高齢化には弱いのです。年金保険料を支払う現役世代の人数が減り、年金を受け取る高齢者が多くなれば、年金財政が持たないのは当然のことです。

 そこで、少子高齢化の影響を緩和するために、筆者は「70歳まで働いて70歳まで年金保険料を払い、70歳から年金を受け取る方式」を提唱しています。70歳まで働けば、少子化による現役世代人数の減少が補えますから。

 今でも、自主的に年金の受取開始年齢を70歳まで待つことができます。待つと、毎回の年金支給額が42%増えますから、年金だけで暮らせる計算になるわけです。

 筆者としては、元気な高齢者は70歳まで働いて、70歳から年金を受け取れば良いと考えています。

 「70歳まで働くなんて嫌だ」という人は、政府の年金制度改悪(あるいは年金支給額削減等々)を恨むのではなく、平均寿命が伸びてしまったこと、自分が長生きできてしまうことを恨むべきです。

 高度成長期の「金の卵」たちは、15歳から55歳まで40年働きました。当時の平均寿命の半分以上です。それなら、人生100年時代の人々は、20歳から70歳まで働くのが当然だ、と筆者は思います。

 個々人の人生を考えても、人生の半分は働いて稼ぐ必要がありますし、日本経済を考えても、国民の半分くらいは働いていてもらわないと困りますから。

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