夢のある年金生活の勧め
このところ日本の政府は「働け!」、「働け!」、国民も「働きたい」、「働きたい」、家人などは「死ぬ瞬間まで働け」と叱咤してくる。日本という国は、いつの間にか働くだけの国になったようだ。いや、「働かざる者食うべからず」と上野公園に住む托鉢で働く自称修業僧がいっていたのだから、昔からそうだったのかもしれない。
しかし、私は恥ずかしい。60歳を越えてあくせく働くなどというのは、ある意味人の道に反している。
だからこそ年金の年金哲学とその実施方法を、自分自身の状況にあてはめて活用するほうがいい。
“低い年金ならば、単身でそれなりの生活を行い、趣味に使える額を残す。そして妻が年金をもらったときに、再度いっしょに住む”
これは一般的でないが、私の場合は、妻が年金をもらうまで一人でフィリピンの奥地や南米の奥地で悠々自適の生活をし、そのうち帰国するということになる。これも一考だ。
一方、万人に活用できるのは、
“住宅費にお金をかけるよりも、好きな競艇にお金をつぎ込む”
人によっては競艇かと、あざける人もいるだろう。けれども年金を何に使おうが個人の自由。目くじら立てる必要はない。年金を生活費のたしにする話ばかりではまことにせちがらく、せこい。
競艇を自身の趣味に言い変えてみるとよい。海外旅行、全国自転車旅行、孫へのプレゼント、妻へのプレゼント、再入学した大学の授業費、書籍購入費、天体望遠鏡の購入費、株式への投資(ずぶの素人には勧めない!)、愛人への貢物― それぞれ趣味や趣向がある。年金はそのためのお金と思えば夢が広がる。
私が前倒しで年金をもらい始めたのも、夢の実現のためでもある。今のところ生活費にあてるのがやっとだが、良いバイトや仕事が決まれば、年金80万円をまるまる自分の好きなことに使える。実は次のカタールでのワールドカップ観戦の資金に充てる思惑があってのことでもある。
ブラジルワールドカップは訪れる余裕があったが、ロシアワールドカップは日本にいてそんな余裕はなかった。もともとカタールではワールドカップのための電力増強のために汗水たらして働いたのである。そんな因縁さえある。
年金の夢のある活用のためにも、いい仕事なりバイトなりを見つけ、生活費は別に稼ぐ必要がある。でも、ああ、やっぱり働くのか!(続く)
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