2024年11月25日(月)

オトナの教養 週末の一冊

2019年8月23日

仮想通貨は隠れていた価値を可視化してくれた

 私が仮想通貨を面白いと思うのは、今まで経済的の中で見えなかった価値を可視化してくれたこと、無価値だと思われたものに価値を与えてくれたところです。「真心」とか「優しさ」「思いやり」とか。1人1人がそういったトークンを作っていけばいいわけですよね。社会はAIなどのテクノロジーによって進化していく面もありますが、我々が仮想通貨などの新しい構想力を出すこと、自分たちでデザインすれば、そんなに悪いものではないと思うんです。

 資産運用のためだけではなく、真心を表現する手段として仮想通貨をデザインすればいいわけです。AIも研究者中心で発展してきましたが、我々が欲しいのは恋人のように親密なAIとか、話し相手になってくれるAIかもしれません。

 クルマにしても100km出して自動運転してくれるより、間違えてアクセルを踏み込んでもスピードが出ないそんな機能が欲しいわけです。でもそれがない。デザインが間違っていると思います。少なくとも我々が必要としている機能ではありません。加速の良さや燃費の良さばかりがアピールされますが、それが高齢者に必要でしょうか。

 いまは大企業が提案した製品を受け入れているだけですが、僕たち1人1人がデザインする、オンデマンドで作っていく、そんな世界です。AmazonやGoogleのインフラを使ってぼくたちが何をするか、それが大事なんだと思います。

民主主義は完全に終わっています

 議会制民主主義は終わっていると思います。日本人が安倍政権を選択するのは、その方が経済的にいい方向に向かうと考えているからです。安倍政権を選択するのが消費行動なんですね。代表制といっても代表する均質な母体がなくなっている。その意味で、民主主義は終わっていると思います。

パレスチナ問題を解決できるのはAI

 例えばパレスチナ問題をいくら国連で討論しても解決できないと思います。過去のデータを全部入力して、AIに決めてもらった方がいい。国際協力の資金分配の割合をどうするかとか。また、発電方式は原子力なのか火力なのか自然再生エネルギーなのか、最も地球に優しいのはどの方法なのかをAIに演算してもらった方がいいと思いますね。

人類70億人が幸せになれる方法

 そうやってAIが判断したことで地球上の70億人が全て満足できるかと言えば、それは難しいでしょう。自由と平等を保証できるのか。70億の人々が日本やアメリカと同じ利便性を求めた生活を欲して、電気やウォシュレットの使用を要求するようになればどうなるか。利便性だけでは行き詰まると思うんですね。たとえばアメリカ人にしても日本人にしても、カロリーを摂り過ぎて肥満になっている人が多いわけです。これを飢餓で苦しむ国の人たちに贈与する仕組みができるといいなと思います。そういう適正な配分をAIにやってもらいたいです。


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