この他にもロサンゼルスは「全米一混み合って不便な空港」と言われるロサンゼルス国際空港へのアクセス改善にも取り組んでいる。巨大な動く歩道のようなものを作り、電車の駅から空港を結んで現在の混雑を緩和、駐車場やレンタカー会社、ホテルのシャトルバス、公共交通、タクシーなどを一箇所に集めて人の流れをスムーズにしよう、という一大事業だ。さらには公共交通の充実をはかるため、現在の鉄道網をさらに広げて観光地へのアクセスを楽にする策も同時に進行している。
五輪開催のための「見えない予算」
つまり五輪そのものの建物、施設などの予算は東京の3分の1かもしれないが、五輪開催のための「見えない予算」は莫大なものに膨れ上がる可能性がある。もし五輪のためだけに一時的にホームレスを観客らの目から隠すための政策だとしたら、五輪後にさらに大きな社会問題として浮上する可能性もある。
あと8年でロサンゼルスはホームレス問題に対処することが出来るのか、そしてそれは恒久的なものとなり得るのか。成功すれば全米のモデルケースになるが、失敗に終われば行き場のないホームレスが再び 路上生活を始めることになる。解決は非常に困難だ。
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