前向きに読み解く経済の裏側

2019年9月30日

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塚崎公義 (つかさき きみよし)

経済評論家

1981年 東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。主に経済調査関連の業務に従事。2005年 銀行を退職して久留米大学へ。現職は久留米大学商学部教授であるが、当サイトへの寄稿は一個人として行うものであるため、肩書きは「経済評論家」とする。

品物の価値がわからないと値札に影響される

 途上国へ行くと、5ドルの品に50ドルの値札をつけている場合も多いようです。それを30ドルに値切って喜んでいる日本人が多いそうですが、それは日本人が品物の価値を自分では判断できないため、50ドルの値札を見て、それが商品の価値だと感じてしまうのでしょうね。

 これについては、国民性や文化の違いもありそうです。日本人は生まれた時から「値札は商品の価値と等しい」という経験を積んで、そう思い込むように育てられていますから。

 余談ですが、途上国の怪しげな店では、値切り交渉で値段を口に出してはいけないそうです。欲しそうな顔をして、「いくらまで値下げするか?」「それなら不要だから帰る」と言い続けるのだそうです。そして、本当に帰る素ぶりをした時に、相手が追いかけて来るのを待ち、その時の相手の提示価格で買うのだそうです。やってみたことはありませんが、たしかに合理的ですね。

 米国の友人に聞いた話では、米国では値上げをしてからバーゲンをする店が多いのだそうです。「100ドルです」と言われるより「200ドルですが、半額セール中なので100ドルで結構です」と言われる方が買いたくなる客は多いでしょうから。

 日本でも、バーゲンセールは多いですね。これには、本当に売れ残った品物を大幅に割り引いている場合と、最初からバーゲンで売るために品質を落とした商品を用意している場合があるようですから、後者は途上国に近いのかもしれませんね。

他人に頼む時は多めに

 筆者にも、苦い経験があります。親戚の若者が訪ねてきた時のことです。「新入社員研修で、我が社の製品を親戚に売ってこいと言われています。ご協力をお願いします。ついては、10個買っていただけるとありがいのですが」と言うのです。

 無下に断るわけにも行かず、2個買いました。後から考えれば、最初から「2個買って下さい」と頼まれていたら、1個しか買わなかったと思います。まんまとやられました。騙されたわけでは無いので、怒るわけにも行きません。「優秀な親戚を持って鼻が高い」と無意味な自己満足をしたものです(笑)。

マンションを買った日に家具を買ってはいけない

 3000万円のマンションか3500万円の少し広いマンションかを悩んだ末に契約したとします。頭の中には3000万円といった数字がこびりついてます。そんな時に家具屋へ行けば、悲惨な結果が待ち受けているでしょう。

 そうです。10万円の家具も15万円の家具も、どちらも安く感じられて、「5万円しか違わないなら、良い方を買おう」となる可能性が高いからです。

 マンションを契約したら、家に帰って毎月のローンの返済額を計算し、その結果毎月自由に使える小遣いの値段を計算し、それからスーパーの安売りで買い物をしましょう。小さな数字に目が慣れてから家具屋へ行っても、遅くはないと思いますよ。

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