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2019年11月1日

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出井康博 (いでい・やすひろ)

ジャーナリスト

1965年、岡山県に生まれる。ジャーナリスト。早稲田大学政治経済学部卒業。英字紙「ニッケイ・ウイークリー」記者、米国黒人問題専門のシンクタンク「政治経済研究ジョイント・センター」(ワシントンDC)客員研究員を経て、フリー。著書には、『移民クライシス 偽装留学生、奴隷労働の最前線』(角川新書)、『ルポ ニッポン絶望工場』(講談社+α新書)、『長寿大国の虚構 外国人介護士の現場を追う』(新潮社)、『黒人に最も愛され、FBIに最も恐れられた日本人』(講談社+α文庫)などがある。

“特殊な”学校で起きた不祥事なのか?

 とはいえ、学校側に「管理の徹底」を求めるだけで、問題は解決するのだろうか。過去5年間、留学生に関する取材を続けている筆者にはそうは思えない。学校への監視の強化は、あくまで対処療法に過ぎない。根本的な解決には、“偽装留学生”の受け入れ自体を止めることが重要だ。しかし、そこには手がつけられていない。

 「消えた留学生」問題はメディアで大きく取り上げられたが、しばらく経つと関連の報道は止んだ。世の中には、東京福祉大という“特殊な”学校で起きた不祥事との印象が残った。だが実際には、同大の問題は、氷山のごく一角が露呈したに過ぎない。

 留学生の受け入れ現場では、貧しい国からやってきた外国人が「留学生ビジネス」の餌食になり続けている。その実態は、政府が「消えた留学生」問題への対策を打ち出した以降、むしろ悪化すらしている。象徴的な例が、「幸せの国」と呼ばれるブータンから来日した留学生たちの苦境である。

2回目『政府に売られた、「幸せの国」ブータンの若者たち』
3回目『日本語学校で横行する留学生「強制送還」の闇』

  
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