2023年2月5日(日)

中国 覇権への躓き

2019年11月20日

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安田峰俊 (やすだ・みねとし)

ルポライター

広島大学大学院文学研究科博士前期課程修了。『八九六四「天安門事件」は再び起きるか』(KADOKAWA)で第5回城山三郎賞・第50回大宅壮一ノンフィクション賞をW受賞。近著に『「低度」外国人材 移民焼き畑国家、日本』。

 香港政府は10月4日、非常事態に対処する緊急法を根拠に「覆面禁止法」を議会の承認なく制定したが、今後はそれ以上の強硬策を打ち出す可能性がある。デモ隊はインターネットで作戦立案や情報共有をおこなっており、ネット統制を受けた場合の打撃は大きい。今後のデモ鎮圧は、自由都市である香港の監視社会化と引き換えに進行するかもしれない。また、デモ隊側がテロ闘争にはしったり一般市民を殺傷したりするなどして民意の支持を失い、デモが沈静化する可能性もある。

※追記:この原稿は11月上旬に執筆した。その後、8日にデモ参加者とみられる男子大学生が転落死したことで抗議運動はより激化し、平日も含め連日の衝突が発生。デモ隊は11月3週目から大学での占拠作戦を取っている。コアな参加者の大量捕縛などが発生した場合、今後のデモ情勢が大きく転換する可能性が高い。

 香港の混乱は体制派とデモ支持派の市民の相互不信を生み、社会の分断は深刻な状況に達している。いかなる幕切れを迎えても、香港社会が長い後遺症に苦しむことは確実だ。

 中国の香港統治の失敗は、台湾や新疆など他地域に対する統一戦線工作にも暗い影を落としていくだろう。

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