人間的に成長
今の時代ならばモラルハラスメントにも匹敵するような心ない中傷にもめげず、黙ってプレーし続けた。ジャイアンツで経験した〝暗黒の2002年シーズン〟を糧にしたからこそ、新庄氏は人間的にひと回りもふた回りも逞しさを増したのだろう。翌年のメッツ復帰を経て2004年からの日本ハム移籍で国内Uターンを果たし、プレーとパフォーマンスの「新庄劇場」で北の大地を盛り上げ、一世を風靡したのは周知の通り。
これについても、当時の状況を知る関係者によると「新庄さんはパフォーマンスをする時も必ずチームメートや球団関係者に断りを入れていた」という。やはりジャイアンツ時代のような暗いムードではなく明るい雰囲気作りに心血を注ぎ、周囲への気配りも怠らないことが全てをプラスの方向へ導くと悟っていたからだと解釈できる。
2002年シーズンのアンチテーゼも新庄氏のバックボーン。そうした確固たる意志とともに数々の歴史を築き上げてきた元スーパースターが起こそうとしているネクストサプライズはNPB復帰だ。ぜひ実現を期待したい。
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