中東を読み解く

2020年1月4日

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ブレなかったトランプ

 今回の作戦を通してトランプ大統領にブレはなかった。昨年6月、ペルシャ湾で米無人機がイランに撃墜された際、大統領はイランのミサイル基地などの攻撃を命じ、米軍機が攻撃態勢に入った。しかし、大統領は攻撃の10分前に突然中止命令を出し、国内や親米アラブ諸国から批判を浴びた。

 また、トランプ大統領は昨年9月、サウジアラビアの石油施設が何者かの攻撃を受けた時にも、イランの犯行であることを主張しながら報復には出ず、サウジ側の不信を招いた。米当局者は、大統領がイラン攻撃を中止した決断に批判があったことを気にかけており、ソレイマニ司令官の抹殺作戦にブレがなかったのはこれも大きな要因ではないか、と指摘している。

 トランプ大統領は1月3日「マール・ア・ラーゴ」で記者団に対し、ソレイマニ司令官の抹殺について言及。今回の作戦が「戦争を防ぐためであり、始めるためではない」と述べ、米国への攻撃を事前に摘み取るための自衛措置だったことを強調した。

 大統領は一方で、司令官が過去20年間、中東全域でテロを実施してきたことを指摘し、「米国人に危害を企てるテロリストは見つけ出して殺害する」「もし米国人が恫喝された場合、イランの標的をすでに特定している」などとイランの報復行動をけん制した。

 米メディアによると、米国はイランの報復に備えるため、中東に新たに3000人~4000人を増派する計画で、陸軍特殊部隊「レンジャー」の一団がすでに米国を離れた。ミリー米統合参謀本部議長は「ボールはイラン側にある」と述べ、いかなるイランの行動にも即応する姿勢を示した。

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