2022年12月6日(火)

海野素央の Democracy, Unity And Human Rights

2020年2月26日

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海野素央 (うんの・もとお)

明治大学教授 心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08年~10年、12年~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年と12年米大統領選挙で研究の一環として日本人で初めてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。激戦州南部バージニア州などで4200軒の戸別訪問を実施。10年、14年及び18年中間選挙において米下院外交委員会に所属するコノリー議員の選挙運動に加わる。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。中西部オハイオ州、ミシガン州並びに東部ペンシルべニア州など11州で3300軒の戸別訪問を行う。20年民主党大統領候補指名争いではバイデン・サンダース両陣営で戸別訪問を実施。南部サウスカロライナ州などで黒人の多い地域を回る。著書に「オバマ再選の内幕」(同友館)など多数。

「フロリダ州では勝てません」

 特に、南部フロリダ州では社会主義は不人気です。サンダース候補は、同州でマイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長及びジョー・バイデン前副大統領に苦戦を強いられています。その理由をマイアミからネバダ州にサンダース氏の応援に駆けつけたヒスパニック系米国人で社会主義者のパブロフさんが、次のように説明してくれました。

 「バーニーはフロリダ州では勝てません。キューバやベネズエラからの移民は社会主義に対して嫌悪感を抱いているからです」

党員集会に動員を促すサンダース陣営のパンフレット。戸別訪問で穴の開いた部分をドアにかける(筆者撮影@西部ネバダ州ラスベガス)

 キューバ系及びベネズエラ系の移民に加えて、フロリダ州は多くの退職高齢者の流入先になっています。同様に、ラスベガス近郊のヘンダーソンにも退職高齢者が住んでいます。彼らは反社会主義の世代です。

 さらに、ドナルド・トランプ米大統領の発言も、サンダース陣営が社会主義をアピールしない理由の1つでしょう。トランプ大統領は民主党を「急進的社会主義」とレッテルを貼り、「米国は決して社会主義にはならない」と繰り返し主張しています。トランプ氏にはサンダース候補を利用して、社会主義を大統領選挙の主要な争点にする思惑があることは明らかです。

 それに対して、サンダース陣営は社会主義の争点化を避けたいのが本音です。支持基盤である社会主義の若者に加えて、反社会主義の有権者も取り込み、支持層拡大を狙っているのでしょう。

「目標は11月」

サンダース選対(筆者撮影@西部ネバダ州ラスベガス)

 有権者名簿に基づいて標的となっているアジア系米国人に電話をかけると、ある女性の有権者がサンダース候補に期日前投票をしたと語りました。そこで、筆者は感謝の意を述べて電話を切ると、会話を聞いていたアンジーさんが透かさずこう注文をつけてきたのです。

 「私たちは本選に勝つことを目標に置いています。バーニーに期日前投票をした支持者には、11月にも投票をするように促してください」

 このとき筆者は、サンダース陣営の民主党党員集会及び予備選挙を勝ち抜く意気込みを肌で感じました。

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