2020年の桜シーズン、25年大阪万博、そして2030年
目下の心配は、祇園祭や紅葉シーズンならび年間で観光客が最も多い3月後半から4月にかけての桜のシーズンをどう乗り切るかだ。直近の予想では暖冬の影響もあって例年よりも早く開花しそうだ。新型コロナウィルスの影響が続いたり、現状よりも感染状況が悪化した場合、例年のようにお客さんが来てくれるのか、予測することが難しいという。
そして、これから深刻度が高まるのが人手不足。宿泊業の有効求人倍率は約8倍と、驚くべき数値になっているという。大手のホテルなどでは、宿泊業の専門学校生に対して入学後すぐに内定を出すなどして、人手を確保するという動きがあると言われているほどだ。
「2025年には、大阪万博があるので、関西の人手は大阪に引き寄せられます。そして、報道によれば2030年には人手不足は600万人を超えるそうです。これに対しては、いまから手を打たなければならないという危機感を強く持っています」
2児の母でもある小野さんは、保育園に子どもを通わせながら、女将として綿善を切り盛りするばかりか、 さらには全国の学校、業界団体などで年30件ほどの講演もこなす。まさに超人的な働きだ。
「人手不足の解決策として自分で子どもを作ることもあるかもしれません。40までにあと、3人は授りたいですね。子どもが5人いれば、1人くらいは旅館業に興味を持ってくれるでしょうから」と笑う。聞けば、大変な不妊治療を経てお子さんを授かったという。そこに対して、また挑んでいく小野さんの心意気には敬服するばかりだ。「ピンチをチャンスに!」、この言葉が小野さんほどふさわしい人はいないだろう。
※告知【新型コロナウィルスによる休校措置を受けて】
3月9日(月)から、綿善旅館では「旅館で寺子屋」を開講します!!
申し込みはこちら↓
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【修正履歴】
訂正して、お詫び申し上げます。
(誤)小野さんが着目するのが、『探偵!ナイトスクープ』(朝日放送テレビ)のレポーターなどへの出演で知られる越前屋俵太さんの提唱する「不便益」 。
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(正)『探偵!ナイトスクープ』(朝日放送テレビ)のレポーターなどへの出演で知られる越前屋俵太さんが近年注目している「不便益」。不便益は京都大学・川上浩司特定教授が提案した概念である。
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