2022年11月28日(月)

WEDGE REPORT

2020年3月4日

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スーパーチューズデーでポイントはテキサス州

 さて、日本時間では今日からはじめる「スーパーチューズデー」。ここで行われる14州の選挙で、民主党大統領候補が獲得する代議員数の3分の1が決まる。

 この直前に行われたサウスカロライナ州では、バイデン候補が、40ポイント以上の差をつけてサンダース候補に勝った。

 この背景についても、前述のアリさんの話が参考になったという。もともと、サウスカロライナ州は共和党が強い土地で、大統領選挙では、民主党から捨てられている州だ。

 サウスカロライナ州の民主党員は、61%がアフリカ系アメリカ人。オバマ大統領の副大統領だったこともあって、バイデン候補は、アフリカ系からの支持が強く、その意味では、結果は順当だった。

 しかし、その中身を見ると、違う側面が見えてくる。海野教授が1週間で行った戸別訪問は199軒。ほぼバイデン候補か、サンダース候補しかいなかった。そのなかで、バイデン候補を支持するアフリカ系の人に特徴的なのは、中高年以上で、保守的ということだ。

 アリさんいわく「サウスカロライナ州のアフリカ系の人々は、非常に虐げられてきました。それは今でも同じで、警察に呼び止められても白人であればそれで終わるけれども、黒人だとそのままパトカーに乗せられてしまうことが普通」で、現在まで続くアフリカ系への差別が、彼らを非常に保守的にしているという。

 一方で、サンダース候補を支持するのは、同じアフリカ系でも、若くてリベラルな人が多かったという。海野教授が、サンダース候補が「異文化連合軍」を形成しつつあるとこれまで指摘してきた通り、アフリカ系のリベラルの取り込みにも成功しているというわけだ。また、ネバダ州ラスベガスでも、8つの選対を設置した。普通は1つの町に1カ所なので、異例な対応だが、この背景には、ラスベガスにも多いヒスパニック系の票をとる狙いがあった。

 ここから推察できるスーパーチューズデーの構図は、「サンダース=ヒスパニック」対「バイデン=アフリカ系」。

 スーパーチューズデーでは、アフリカ系が多い、アラバマ(代議員数52)、テネシー(64)、アーカンソー州(31)で、バイデン候補は優性。サンダース候補はヒスパニックとアフリカ系リベラルが多い、カリフォルニア(415)、コロラド州(67)でリードしている。

 このあと、17日には大票田であるフロリダ州(219)での投票が控えている。ここでは、富裕層と、社会主義にアレルギーを持つ、キューバ系とベネズエラ系が多いために、サンダース候補は勝つことができない。

 そうすると、3日のスーパーチューズデーでは、サンダース候補は、ヒスパニック系の多いテキサス州でどうしても勝つ必要がある。そのテキサス州(228)では、サンダース候補がリードしているものの、バイデン候補が猛追しており、予断を許さない。

 サウスカロライナ州で圧勝し復活して「カムバック・キッド(Come back kid)」になったバイデン候補だが、スーパーチューズデーから参入してくるマイケル・ブルームバーグ候補が阻害要因となる。中道の票を奪い合うことになるからだ。

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