2024年4月25日(木)

海野素央の Democracy, Unity And Human Rights

2020年3月28日

トランプのアドバンテージ

 とはいうものの、11月の大統領選挙で再選を狙うトランプ大統領は、民主党大統領候補が濃厚になったジョー・バイデン候補に対してアドバンテージを保っています。

 トランプ大統領は自らスポークスマンになって、ホワイトハウスで記者会見を連日開き、新型コロナウイルスと戦っているリーダーを演出しています。保守系のFOXニュースによるバーチャル・タウンホールミーティング(遠隔対話集会)にも参加し、有権者とコミュニケーションを図りました。

 2016年米大統領選挙でクリントン陣営の選対本部長であったロビー・ムーク氏は、ラジオ局とのインタビューの中で「トランプ大統領にメディアを支配されたこと」を、敗因の第1に挙げました。トランプ大統領がヒラリー・クリントン候補よりも多くの映像を通じて有権者に訴え、存在感を示したという意味です。

 おそらくトランプ大統領の次にメディアが取り上げる人物は、新型コロナウイルス感染拡大のホットスポットになっている東部ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事(民主党)でしょう。

 一方バイデン候補は、東部デラウエア州ウィルミントンの自宅からインターネットを通じて有権者にメッセージを発信しています。

 しかしトランプ・クオモ両氏と比較すると、バイデン候補は明らかにメディアへの露出度で後れを取っていると言わざるを得ません。映像から姿が消え、存在感を示すことができないのです。これこそが、バイデン氏の本当の危機的状況です。

  
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