米の飯が日常とはいえなかった江戸時代、餅は正月に代表される特別なハレの食であった。うるち米のご飯で作る五平餅はそれより少しだけ日常に近い、ちょっとした贅沢ではなかったか。冷えたご飯でも囲炉裏端で香ばしく温める、おかず要らずの工夫。
巨大なもの、小ぶりなもの。平べったいもの、団子状に近いもの。味噌味、醤油味、たまりの味。クルミや鳥、魚の肉等々さまざまなプラスアルファの味わい。
食べて歩けば、まさに五平餅文化圏。名前を共有しつつもさまざまなバリエーションを持つ食の文化を、街道筋の風情を感じながら訪ねるという時空を超える旅。
神にささげる「御幣」の五角形をかたどった五平餅。この「ごへい」が語源との説もある
■元祖 五平餅屋 上坂商店
名鉄三河線豊田市駅下車、徒歩約7分
愛知県豊田市小坂本町3-18
☎0565(33)1666
営業時間/10時30分~19時
定休日/火曜、第2・第3月曜
■びっくりや
豊田市駅からバスで足助大橋下車すぐ
愛知県豊田市足助町成瀬31-1
☎0565(62)1397
営業時間/9時~19時
定休日/水曜(イベント時は無休)
■桧茶屋(三州足助屋敷)
豊田市駅からバスで香嵐渓下車、徒歩約10分
愛知県豊田市足助町飯盛36
☎0565(62)1188
営業時間/9時30分~16時30分
定休日/木曜(祝日の場合は翌日)
■とよた五平餅学会
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