2022年12月10日(土)

Wedge REPORT

2012年6月8日

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 中国政府もその点は十分認識しており、今後の3つの目標を掲げている。「独創性、ブランド力強化による輸出拡大」「アニメ産業のビジネスモデルとしての『一気通貫』―テレビ・映画・DVD・キャラクターグッズ等の多面展開」「一律支援から選択的支援へ」である。

日本は新たなスキーム構築の主導権を

 そんな中国のアニメ市場に日本のテレビ局や制作会社はどう向き合おうとしているのか。日本のアニメが中国に進出する際、必ず直面する課題が二つある。海賊版の横行対策と中国政府による保護主義の突破だ。だが状況は、着実かつ急激に変わりつつある。

 たとえばテレビ東京は、昨年11月、『NARUTO―ナルトー疾風伝』等を中国の動画配信サイトで即日配信し始めた。これで違法視聴を駆逐するとともに、広告収入を双方で分配するスキームを確立しようというわけだ。日中のテレビ局・制作会社が「制作委員会」を作り、均等に出資してリスクヘッジした上で、制作作業を分担し収益も平等に分けるビジネスモデルの試みも始まっている。

 日本のアニメ業界は、中国の新たな動きに積極果敢に反応すると同時に、新たなスキーム構築に主導権を発揮すべきだろう。

<参考資料>
『テレビアニメ魂』(山崎敬之著・講談社現代新書・2005年)
『GALAC』2012年3月号~5月号(放送批評懇談会)「中国アニメ立国への道」香取淳子
「日中アニメ産業の市場争奪」(NHK放送文化研究所 主任研究員・山田賢一 2012年4月20日に開かれた同研究所のシンポジウムで発表)
などを参考にまとめました。

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